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二酸化炭素の排出量も、ほかの化石燃料とくらべて低い天然ガス
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NN:LNGが環境負荷が比較的少ないといわれるのは、どのような理由からなのでしょうか?
TG:天然ガスの原料はメタンで、炭素の含有量がきわめて少ないのです。ですから、燃焼させた際のCO2の排出量が、石炭など炭素の“かたまり”のような物質にくらべると非常に少ないのです。NOxの排出量は石炭を100とすると、石油は70、天然ガスは20〜40です。また、天然ガスからはSOxは排出されません。それが、石炭や石油よりもクリーンなエネルギーといわれる理由です。
NN:天然ガスを輸出国で液化する際に、エネルギーは使わないのですか?
TG:たしかに輸出国現地で、マイナス162℃にまで冷却する際にエネルギーを消費します。しかし、天然ガスの採掘から、液化、海上輸送、国内の都市ガス製造、お客さま先での燃焼、つまりガスのCO2排出に関する[LCA]、LCCO2(二酸化炭素に関するライフサイクル・アセスメント)をほかの化石燃料と比較すると、同じ熱量を発生させる際に排出するCO2は、石炭を100とすると、石油が77、都市ガスは65で、都市ガスの二酸化炭素の排出量は、はるかに少ないことがわかります。
NN:化石燃料は、石油が40年、天然ガスは60年で枯渇するといわれていますが……?
TG:たしかに、天然ガスの埋蔵量は約60年といわれていますが、需要に見あった新しいガス田が開発されるでしょうし、最近よく聞かれると思いますが、燃える氷“メタンハイドレード”まで含めれば、長期スパンでガスは供給可能であるといわれています。
これよりもっと長期的な視野に立てば、たとえば水素エネルギーのような新エネルギーが実用化されると思われます。しかし、まだ新エネルギーも技術が確立していませんから、そのような代替エネルギーが実用化されるまでのあいだのエネルギー源としての天然ガスは、環境負荷の最も少ないエネルギーとして重要な役割を担うと思います。そのため、ガスを無駄なく効率よく使うことが、現在の最も重要な課題です。
NN:ガスを有効にもっとも効率よく使う、そのための技術開発に力をいれていらっしゃるようですが……。
TG:先ほどのLCCO2、つまり都市ガスのライフサイクルにおけるCO2排出量をみると、最もCO2の排出量が多いのが、家庭や事業所ビル、工場などで、お客さまがガスを燃料として使用する段階です。ですから、ガスを利用する際の効率を高める技術を向上させることが、最重要課題だととらえています。
そのことは、2000年6月に策定した新しい環境方針でも、“お客さまのエネルギー利用における環境負荷の削減”を、方針の第1番目に入れていることでご理解いただけると思います。
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■化石エネルギーのLCCO2評価
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[出典]エネルギー経済 第25巻1999年8月
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