その12 IBMは“コンピュータ=資産”で、しっかりリサイクル


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製品生命を終えたパーツを素材として再利用:リサイクル・センターー
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(リユース・センター)
リユースされる部品のストック。IBMのネットワークで、世界中の需要を察知

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(リユース・センター)
テスト・センターに送られ品質保証される基盤

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(リユース・センター)
再生品の再生工程。パソコンは1台につき4時間かかるという

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(リユース・センター)
検証が済み、再び梱包されて、部品ストックへ出ていく部品

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(リユース・センター)
ご覧のように、厳しい管理体制
“リユース・センター”で、中古製品としても、部品としても再使用ができないと判断されたパーツは、“リサイクル・センター”に運ばれ、素材としてマテリアル・リサイクルされます。

リサイクル・センターでは、コンピュータやモニターが分解され、プラスチック、金属、ガラスなどの材料に分けられます。


IBM:リサイクル・センターの業務は、1)手作業による製品の解体、2)素材ごとの分別、3)鉛などの有害物含有部品の抜き取り、4)製品・部品としての機能を破壊することが主な内容です。

NN:機能を破壊する……とはどういう意味ですか?

IBM:リースやレンタル製品、および社内使用済み製品は、IBMの資産として帳簿に記載されています。廃棄されるとなれば、ソフトもハードもその機能を破壊して、資産として除却しなくてはなりません。たとえば、ハードディスクにはドリルで穴を開けるなどして、製品としての価値を破壊するのです。この手順や手法も、IBMコーポレーションのガイドラインで規定されています。

NN:コンピュータの分解は手作業なんですね。

IBM:コンピュータはサイズ・形状がまちまちですから、分解作業は機械化ができないのです。モニターはカバー(プラスチック)、ブラウン管、偏向ヨークなどに分解されます。ブラウン管は再生ブラウンへ、偏向ヨークは銅などの非鉄を回収します。

コンピュータ本体は、スチール製カバーを外し、中のカード(集積回路基盤)、HDDなどのユニット類をすべて抜き取ります。カードに装着された電池は破砕時、発火源になるおそれがありますので、抜き取り分離処理します。

コンピュータの心臓部であるカードは、じつは宝の山なんです。金、銀、白金、パラジュウムなどの貴金属を使用しています。これを回収しない手はないでしょう! これだけの貴金属を、地球の地殻から掘り出すには、どれほど環境を破壊しなくてはならないでしょうか。ここは都会の“鉱山”です。わたしたちはさしずめ、都会の“鉱夫”ですね(笑)。

NN:こちらはものすごく細い蛍光管ですね。

IBM:これは、ノートパソコンのバックライトです。この中に微量の水銀が入っていますので、取り出し時には破損に充分注意しなければなりません。液晶パネルのガラスは、ガラスウールなどに再生します。

そのほか、このリサイクル・センターでは、発泡スチロール、フイルム系および固形プラスチック類を減容し、輸送効率を向上することによる排ガス(CO2)削減にもつとめています。



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