その10 節水により……地球温暖化防止に貢献、TOTOの場合


02
製品の環境評価基準を定め、“TOTOエコ商品”を開発
NN:二酸化炭素の排出量が減るということは、地球温暖化の防止にもかなり役立つということでしょうか?

TOTO:まさに、その点を訴求しているのです。家庭から排出される二酸化炭素の約40%が水まわりから排出されています。家庭で使う水は、トイレをのぞいては、ほとんどがお湯です。水を温めるのに、当然、電気やガスを使います。水の使用と、それに関連したガス・電気の使用による二酸化炭素の排出量を足せば、水まわり製品の環境負荷をトータル値として知ることができます。

家庭の水わまり器具を節水・省エネ型商品に換えると、二酸化炭素を26%削減することができます。これを日本全国の二酸化炭素排出量に割りあてると、約1.2%の削減になります。地球温暖化防止京都会議で日本が約束した二酸化炭素削減量6%を考えると、水まわりだけで1.2%の削減を実現できるのですから、その効果は非常に大きいと思います。

それともう1つ、世界的にみると水不足は深刻な問題です。水には代替するものがありません。水は大切にしなくてはなりません。また、汚れが付きにくく、落ちやすい便器を使うことで、洗剤の使用量を減らし、汚染物質の排出を抑えることも期待できます。

NN:それは明るい情報ですね! 地球環境を意識して製品を開発されるようになったのは、いつごろからなのでしょうか?

TOTO:節水とか、省エネとか、貴重な資源を節約するとういう試みは、10年以上前からやっていたのですが、ある程度目標を立てて実行するようになったのは、2年ほど前からです。具体的には、製品を開発するときに10項目の環境評価項目と、それぞれの目標値を設定して、従来品と新製品を比較して改善率を出し、一定の改善率を達成した商品を、“TOTOエコ商品”とする社内の認定制度を実行しています。

NN:削減効果を数値化することにより、エコ商品を作っていこうという姿勢が強化されたということでしょうか?

TOTO:そうです。意識が高まりますし、なにより目標設定ができます。2000年度はエコ商品化率50%を目標にしていますが、1999年度の実績で77%と、目標を大きく上まわりました。

社内的にもエコ商品の価値を認識するようになり、製品設計者も、環境に配慮した製品づくりに意識的に取り組むようになります。

また販売面でも、お客さまに、その効果を数字でアピールすることができます。エコ商品認定制度の成果として、環境配慮型製品を集めた“おすすめエコ商品カタログ”をつくり、お客さまの理解を得られるようにしました。カタログには、それぞれの商品にどのような環境配慮が施されているのかを示すために、“TOTOエコマーク”をつけてあります。

わたしたちがエコ商品の効果のほどをお客さまに伝え、認知していただくこと、それとさらなるエコ商品のつくりこみを両輪として推進してけば、地球環境改善もより具体的になっていくのではないでしょうか。


■TOTOエコ商品認定制度
graph
[出典]東陶機器株式会社資料



prevback to topnext
トップページ プライバシーポリシー サイトマップ
NatureNetは 株式会社青木コンセプト事務所 が発行するオンライン・マガジンです
Eyes on the Globe