その10 節水により……地球温暖化防止に貢献、TOTOの場合


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使う水を減らせば、二酸化炭素も減らせる?!
東陶機器株式会社、つまりTOTOの製品というと、私たちの家にかならずいくつかはあるといっても過言ではありません。トイレ、ウォシュレット、ユニットバス、水栓金具、洗面台、浴槽、タイルなど、存在があまりに身近で、ふだん意識することさえありません。これほど身近な製品であるがゆえに、環境配慮を施せば、地球環境の改善にそれだけ大きく貢献することになります。

TOTOでは、その重要性に早くから気づき、環境に配慮したエコ商品を開発しています。地球環境の問題が顕在化したいま、その役割はますます重要になってきています。今回は東陶機器株式会社、事業統括部・商品統括部の山内大助さん、広報室の国府田人紀さんを東京世田谷にある“TOTOテクニカルセンター”にお訪ねして、地球環境に貢献する製品とその驚くべき効果を紹介していただきました。


NN:さっそくですが、TOTOの環境保全活動のなかで、なにが最も重要だとお考えですか? TOTOのホームページを拝見すると、製品の環境配慮に重点をおいていらっしゃるように思うのですが……。

東陶機器:少し前までは、環境対策といえば、TOTOに限らず、工場の環境対策などが主体になっていたと思います。工場の環境対策ももちろん大切で、TOTOも以前からこの問題に取り組んできました。2000年3月までに、国内全工場で[ISO14001]の取得も完了しました。しかしISO14000シリーズも、いまや“あたりまえ”になってきています。

そこで、改めて[ライフサイクル・アセスメント:LCA]などの手法を使って、製品の環境負荷をちゃんと分析してみると、陶土の採掘から、製造、運搬にいたるまでの製品の製造時より、TOTOの製品がお客さまのもとに届き、使っていただいているときのほうが、ずっと環境に与える影響が大きいことがわかってきたのです。

NN:水まわりの機器は、使用時にはどれくらいの環境負荷があるのでしょうか?

TOTO:たとえば、現在一般的に普及している大便器を例にとりますと、製造時の二酸化炭素排出量は41.9kgであるのに対し、使用時の二酸化炭素排出量は便器を20年使用するとした場合で671.9kgとなります。水まわり製品の環境負荷低減を考える場合、使用時の負荷を減らすこと、つまり節水型の器具を使うことが大切であることがわかると思います。

昨年発売したエコ商品の1つである“レスティカ”の場合は、節水化により使用時の二酸化炭素排出量を344.6kgと、従来品にくらべ大幅に削減しています。

NN:便器などは、水を流すだけだから環境に影響はないように思えますけれど……。

TOTO:水道は浄水場からポンプで水を送っていますから、それだけエネルギーが必要です。また、下水処理場で水をきれいにするときにも、相当なエネルギーを使っています。環境庁から、“1立方メートルの水を使うと、どれくらい二酸化炭素を排出するか”という指標が出ています。この指標によって、節水による二酸化炭素削減効果を計ることができます。

極端にいえば、製品が少し大きくなり、複雑な機構になって製造時の負荷が上がったとしても、もしランニングのときの水の使用量を半分にできるのならば、トータルで環境負荷が減ることになります。ランニングのときの負荷を減らそうと思えば、やはり製品で抑えるしかありません。それが、私たちが製品の環境対策に注力を注ぐようになった理由です。


■地球温暖化と省エネ・節水
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[出典]東陶機器株式会社資料



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