その7 徹底した化学物質の管理……キヤノンに学ぶ


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化学物質の情報をオンラインで検索する
NN:化学物質を扱う管理システムについては、どのように組織化され、どうのように運営していらっしゃるのでしょうか?

CN:管理システムは、1996年、キヤノングループで化学物質管理を統一化する際に構築しました。

キヤノンで使用されている化学品は、9,000種類にもおよびます。これらすべてに登録番号をつけて、環境への影響を配慮して管理しています。未登録の化学物質を使うときは、本社中央委員会と各事業所の地区委員会で行われる、環境面、安全面、技術面の厳しい審査を経て、承認されたものだけに登録番号をあたえて、使用できるようにしています。

キヤノンでは、1997年から化学物質に関する情報を管理する、オンライン・データベースを稼働させました。登録された化学物質がどの職場で使われているか、また、その物質に関する法規制や使用方法などを検索できる仕組みになっています。化学物質のメーカーから供給される[化学物質安全データシート:MSDS]もこのデータベースに入れてあり、ある化学物質の使用について疑問が生じた場合、どのように対処すべきかのメーカー側の指示が、現場ですぐに見られるようにしました。


リスクを管理する
NN:有害化学物質の使用を削減する方針と、管理体制……これらが、現場で実行されているかどうか、これについては、どのように把握していらっしゃるのでしょうか。

CN:キヤノンは、ISO14001の基礎となったBS7750を日本で最初に認証取得しました。その後、全世界地域の環境対策活動を強固にするために、ISO14001の認証取得を推進しています。ISO14001の認証を取得するということは、[環境マネジメントシステム]が構築されており、機能しているということを意味します。1999年末までにISOの認証取得をしたのは、国内で38事業所、海外で12事業所です。

また、外部認証機関による[環境監査]のみならず、本社環境技術センターによる環境監査、事業所の内部環境監査を実施しています。

各事業所で測定された環境管理データは、本社の環境技術センターで一括管理されます。事業所のある地域特性、事業内容によって異なりますが、各事業所において自主基準を設定し、その地域での規制より厳しい管理を実施しているのです。

NN:不測の事態などには、備えていらっしゃるのでしょうか。

CN:万が一の場合の対応については、各事業所の環境管理項目の中でルール化されています。火災、地震、水害、停電などが発生した場合、環境負荷を確実かつ迅速に低減するにはどうすればよいか、また適正な情報処理の方法など、きめ細かく規定しています。


■キヤノンの化学物質管理システム
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[出典]キヤノン資料



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