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いろいろな水処理に対応
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ヤクルトろ材は、家庭や大規模施設からの排水の浄化のほかに、河川や池の水の浄化、産業排水処理、排水をリサイクルして使う中水道など、あらゆる水浄化に応用できます。ヤクルトでは、自社の工場や事業所などで使う一方、社会貢献の一環としてヤクルトろ材を一般にも供給しています。
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生活排水の処理
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1991年から、ヤクルト茨城工場では、工場の食堂から出る排水と、年間23,000人訪れる工場見学者用トイレからの排水を、ヤクルトろ材を使った合併浄化システムで処理しています。続いて、本社市川寮などにも設置しました。そして現在は、子会社を通じ、一般家庭用、集落排水システム用、ホテルや病院などの大規模施設用の合併浄化槽を納入しています。
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産業排水の処理
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産業廃棄物の50%近くは汚泥です。埋め立て地の不足から、汚泥は目下のところ産業廃棄物のなかでも、とくに問題児です。ところが、ヤクルトろ材を使う工場排水処理では、この汚泥がほとんど発生しないのです。1991年からヤクルト佐賀工場や京都工場では、工場排水処理を従来の活性汚泥処理法から、ヤクルトろ材を使ったシステムに変換。佐賀工場の場合だと、BOD 500〜700 ppmの排水を1 ppm前後に浄化処理するとともに、汚泥の発生を十数分の1に抑制できたそうです。
また、ランニングコストも約50%削減できるということがわかりました。この結果、他社からの引き合いを生み、醸造工場や山菜加工場などで利用が進められています。99%の浄化率と同時に、汚泥の発生を抑制し、ランニングコストも削減できるのですから、工場などの環境対策には朗報です。
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川や池の水浄化
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また、公共機関でもこのシステムを注目しはじめています。汚染がひどいことで有名な、東京都足立区を流れる綾瀬川の支流、毛長川で、ヤクルトろ材26万個を使い、BODを約75%も除去という大きな成果をあげました。足立区は、同じ綾瀬川の支流で、埼玉県との県境を流れる垳川(がけがわ)にろ材153万個を使った平成泉橋水浄化処理施設をつくり、浄化された水が橋の上から落ちてくるように設計した親水公園をつくりました。足立区や八潮市の住民の憩いの場を演出しています。
そのほか、三重県長良川の支流、境川浄化施設(ヤクルトろ材2,751万個利用)や、石川県加賀市の真菰ヶ池(まこもがいけ)などで応用され、汚れてしまった水の浄化に役立っています。
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海外でもその威力を発揮
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日本人観光客の多いパラオでは、リゾート施設の排水によりサンゴ礁の海が汚染されはじめています。そこで、ヤクルトが全面協力して、このシステムを使った合併処理浄化槽の設置を進めてきました。そのほか、カナダ、韓国、中国、台湾などでも導入が進められています。
平成泉橋浄化処理施設
 東京都足立区と埼玉県との県境を流れる垳川(がけがわ)に、 ろ材153万個を使って設置された平成泉橋水浄化処理施設。
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