その6 ヤクルト容器で水を浄化! ヤクルト本社


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なぜヤクルト容器が?
浄化槽とは、微生物を接触材に生息させて、汚水中の有機物を分解、消化させる装置です。ですから、微生物が活動しやすい環境が必要です。ヤクルトの容器は、こどもの手にもスッポリ入るくらいのほどよい大きさで、複雑な形をしています。

容器を浄化槽の中にランダムにつめこむと、この複雑な形によって汚水の流れや空気の流れが多様に変化し、容器の内外で水中酸素の濃度に濃い部分と、薄い部分ができます。つまり、それぞれの部分に酸素の好きな微生物から嫌いな微生物まで多くの種類の微生物が生息可能になります。

さらに、浄化槽をいくつかの部屋に分け、それぞれの部屋の酸素供給を調整することで、役割のちがう微生物を生息させて、効率よく有機物を分解できるのです。浄化槽に使われるヤクルト容器の数は、5人家族用のもので20,000個程度だそうです。

ヤクルト容器の大きさも適当でした。これより小さいと空気や汚水の流れが悪くなります。反面、大きいと浄化槽の中に入る個数が少なくなり、汚水と微生物の接触面が少なくなります。

また、容器の材質がきわめて安定的なポリスチレンでできていることも利点です。汚水の中でも劣化することなく、半永久的に使用できるのです。成分の溶出の心配もありません。石井氏のご自宅では、この浄化槽を開発当初の20年前から使っていますが、今のところ、ろ材を替える必要はまったくないそうです。

ヤクルト容器を使った合併浄化槽は、効果が抜群でした。水の汚れの99%も除去することができ、建設省による浄化槽の処理後の水質基準値BOD 20 ppm以下をはるかに下回る、BOD 2 ppm以下に浄化することができます。2 ppmとは、鮎などの魚がすめる数値です。このすばらしい効果を、上水(飲料用水)処理に利用すれば、消毒剤の投入量を減らすこともでき、発ガン性などで問題となっているトリハロメタンの発生をおさえることもできると考えられます。


ヤクルト容器利用の合併処理浄化槽の構造



◎マウスを画像にあわせると、説明がご覧いただけます。
[出典]ヤクルト環境対策室HP



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