その4 “廃棄物再資源化100%”のアサヒビール茨城工場!


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残り1.5%を再資源化するために
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[写真・上] 飼料に生まれ変わったモルトフィード [中・上] モルトフィードを通い袋に詰める [中・下] 出荷を待つモルトフィード [下] 通い袋もこうして洗い、何度も使う。
まず、工場内にCGC(Clean & Green Committee)委員会が推進機関となり、工場の社員全員で廃棄物100%化への目的、意義、必要性の認識を確認。試行錯誤をした末、工場内で、分別方法についての社員参画コンクールを開き、わかりやすい分別方法を募集しました。

廃棄物の材質ごと、といったわけ方ではなく、“○○を入れてきた袋”“△△の梱包バンド”など、ふだん呼んでいる品名や、手ざわりの“ツルツル”“ザラザラ”など、わかりやすい区別で、廃棄物をわけることにしたのです。

製造過程により発生する廃棄物が異なるので、発生する場所22か所には分別ステーションを設け、工場内の110か所に分別容器を設置しました。回収容器も、“入れるのはゴミではなく、資源である”という意識をもたせるため、フランス製のシックなデザインの容器を使っています。

それぞれの分別ステーションには、責任者の名前が書かれています。責任者は、自分の担当のステーションの分別容器をチェックし、中身を確認します。確認をしたら、ステーションに掛けてあるチェック表にコメントを書き、印を押します。分別の最終的責任は、ステーション管理者が負います。責任の所在をはっきりさせたことも、成功の秘訣でした。

各ステーションで分別された廃棄物は、分別センターに運ばれます。ここで素材ごとに集められて、処理業者に引きわたす準備をします。輸送コスト削減のため、王冠を包んできた包装紙を圧縮機で圧縮したり、プラスチックバンドを破砕機にかけて、廃棄物を減容します。

分別センターには、製造部門だけでなく、隣接する管理部門から発生する書類なども集められます。管理部門でも、コピーは“かならず裏表”とり、廃棄する紙の量を計り、どの部門で紙が多く排出されているかをチェックします。

発生する廃棄物の分別、再資源化の道を模索するほかに、廃棄物自体を出さない工夫や、再資源化しやすい工夫も取り入れられました。

たとえば、洗浄薬液など、従来は使い捨ての18リットル容器に入れて搬入され、容器を廃棄していたものを、タンクローリー車で搬入してもらい、1,000リットルのコンテナ集中配管方式に変更したり、メーカーに依頼してフィルターの芯をステンレスからプラスチックに変えてもらい材質を均質化することで、プラスチックを油化して再び燃料として使えるようにしました。モルトフィードから作られた家畜用の飼料を入れる袋は、繰り返し洗って使っています。

アサヒビールでは、96年11月に100%再資源化を達成した茨城工場を皮切りに、97年には東京工場と福島工場、98年には同年に竣工した四国工場を含む全9工場で達成しています。さらに99年、名古屋工場では、生産工程だけでなく、空調・冷蔵庫・自販機など、あらゆる設備のノンフロン化を達成したそうです。



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