第10回 グリーン調達とグリーン購入


03 企業とグリーン購入


製品の供給者としての責任は?
国や地方公共団体、あるいは消費者がグリーン購入をするということは、製品や商品を供給する企業としても、商品のラインアップをグリーン化しなくてはなりません。エコ製品を供給したり、製造するためには、製品をつくる資材の調達もグリーン化しなくてはなりません。こうした、環境に配慮した資材や部材を調達することを、[グリーン調達]といいます。

製品の環境配慮が将来の売り上げに影響する重要なファクターだと考えるメーカーは、資材の納入業者との連携により、資材や部材の環境配慮と環境情報の収集をはじめています。環境配慮された資材・部材でなければ取引をやめるなどの、厳しい条件を出すメーカーも出てきています。

また、グリーン購入法と同時に、2000年4月に施行される[環境汚染物質排出移動登録 PRTR法]は、有害化学物質を製造したり取り扱う企業に、その有害化学物質の排出・移動を把握して、行政に報告することを義務づけます。となると、調達する資材や部材に使用される、化学物質や素材の環境情報を把握することは、必要不可欠となります。


はじまった、各企業での取り組み
環境情報を集積して管理することは、PRTRのためだけでなく、その情報を利用して[エコデザイン(エコ商品の設計)][環境リスク(リスク管理)][環境ラベル(エコラベル)]のための基礎情報として利用することができます。

一例をあげるならば、NECでは“生産用部材グリーン購入ガイドライン”を納入業者に配布し、同時に供給される部材の環境負荷調査を行っています。集めたデータを“グリーン購入DBセンター”で集積し、製品設計者は、環境負荷の少ない製品づくりのために利用しています。

また、小売業でも、環境配慮製品を意識的に購入しようというグリーンコンシュマーの台頭により、エコ製品を自社で開発・供給するスーパーなどが増えてきています。西友の“ネーチャーフレンドリー商品”、ジャスコの“共環宣言(2000年からリビカ)”、イトーヨーカドーの“環境奨品”などが、エコ商品をプライベートブランドとして企画・販売している例です。しかし、価格が売り上げに反映しやすい商品群だけに、やはり需要の伸びがコストダウンのためには必要でしょう。


■環境に配慮した製品・サービスを購入することによって企業を変えていくことができるか
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[出典]国立環境研究所『地球環境問題をめぐる消費者の意識と行動が企業戦略に及 ぼす影響《消費者編》』(平成10年度)



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