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排出権取引によるアメリカの削減対策 |
排出権取引とは、国や企業ごとに、汚染物質の許容排出量をあらかじめ権利として割り当てておき、排出権を超えて排出せざるをえない国や企業は、排出枠に余裕のあるところから買い取ります。将来の値上がりを見越して排出権を買って貯金しておくこともできます。
排出権取引では、一国で、あるいは世界中で排出量をあらかじめ設定して分配しますから、総量としての排出を管理しやすくなります。また、省エネなどにより、ほかの国や企業より早く排出量を減らし、枠に余裕が出たものは、ほかの遅れているものに権利を売却することで、省エネなどへの投資を回収することもできます。 市場が発達している米国では、1992年シカゴ証券取引所で、二酸化硫黄の先物商品“大気浄化先物:Clean Air Futures”が上場し、93年には火力発電所の排出する二酸化炭素の排出権取引がはじまりました。97年には、95年比で20%二酸化硫黄を削減できたという実績も報告されています。 97年の地球温暖化京都会議でも、二酸化炭素排出量削減対策に排出権取引の導入が検討されました。しかし、具体的な運用規定について無制限に取引を認めようという米国と、一定の限度を設けようというEU、また先進国と発展途上国とのあいだの議論がかみ合わないなど、導入することは決定しましたが、具体策は次回以降の締約国会議に持ち越しになっています。 |
■二酸化炭素排出量の推移 |
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[出典]オークリッジ国立研究所二酸化炭素分析情報センター(米国)推計値/平成12版『環境白書』 |
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