第6回 環境マネジメントシステムと環境ISO


03 進化を続ける“ISO14001番”シリーズ


ISOでは、14001番以外にどんな環境関連の規格を発行しているのでしょうか。


ISO14010シリーズ:環境監査
環境監査]とは、企業の環境対策の効果を知るために、あらかじめ設定された基準に合格しているかどうかを第三者の監査人が審査し、客観的な評価をくだすことです。環境監査は現在のところ、法的な義務ではなく、企業の自己点検評価としての機能をはたしています。ISOの規格では、現在のところ環境監査の一般原則、監査手順、監査員の資格基準および、事業所が立地している場所への環境負荷に対する監査規格を提供しています。


ISO14020シリーズ:環境ラベル(エコラベル)
環境ラベル(エコラベル)]というと、日本では“エコマーク”が有名ですが、企業の環境対策努力や、製品・サービスの環境情報を表示するものすべてを指し、3つのタイプに分別することができます。

タイプ1は、第三者機関による基準にもとづいて検査をし、合格すると商品にラベルをはることが認められるものです。“エコマーク”は、このタイプにあたります。

タイプ2は、メーカーが自社製品のエコロジカルな特徴を独自に主張するもの。たとえば“環境にやさしい”“無公害”“100%再生紙を使用”などといったものです。

タイプ3は、資源消費量、大気汚染量、有害物質使用量などといった、製品の環境情報を定量的に表示するものです。

タイプ1とタイプ2に関しては、ISOから規格が発表されていますが、タイプ3については、現在検討中です。

環境ラベルは、消費者が製品やサービスを購入する際の判断基準になるものであり、その規格があいまいであれば、ラベルの意味がなくなって、混乱をまねくおそれがあります。環境ラベルの規格を設定するにあたり、かなりつっこんだ協議が必要であると、ISOでも考えているようです。


ISO14031:環境パフォーマンス評価:EPE
各企業の環境活動が、環境をよくするためにどれだけ効果があったのかを評価することを[環境パフォーマンス評価:EPE]といいます。ISO14001規格では、環境パフォーマンス評価を実際におこなうところまでは求めていません。しかし、最終的な目的は自然環境への負荷を軽減することであり、その効果を測定して実績をたしかめることは必要でしょう。ISO14031は、この環境パフォーマンス評価の規格を提供し、評価方法を整備しようとしています。 自社の環境努力を公表するために[環境報告書]を作成し、公表する企業が増えています。環境パフォーマンス評価を企業の環境努力の成績表として使うのなら、評価のための規格づくりは今後ますます重要になると思われます。


■ISO環境マネジメントシステム規格進捗状況
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[出典]日本工業標準調査会(JISC)HP



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