第3回 21世紀に向けての環境経営


02 環境経営の手法・1

それでは、環境経営にはどのような手法があるのでしょうか。環境対策は、技術の問題であると同時に、マネジメントの問題でもあります。複雑にからみあったこれらの問題に対して、どう対処するか、学会、企業間で精力的に検討されています。いま、その結果が少しずつ見えはじめてきたところです。すべての手法は新しく、まだまだ試行錯誤の段階ですが、21世紀の企業活動の“ありかた”を決定していくことでしょう。


環境負荷を少なくする製品の開発〜[エコデザイン
企業活動の根幹は、製品やサービスを売ることですから、まずは環境負荷を減らす製品やサービスを開発することがもっとも重要です。しかし、単に商品としてのパフォーマンスが環境によいだけでは不十分です。

“水を汚さない洗剤”でもパッケージがかさばったり、“消費電力が少ないエアコン”でも使い終わったら廃棄するしかない……といったものでは困ります。商品自体の環境負荷を減らすとともに、リサイクルしやすい材料の選定、部品を共通なものにする、商品の回収方法、ルートを確立するなど、商品のライフサイクルを通して環境負荷を減らすよう、開発段階から設計をしなければなりません。商品のライフサイクル全体を考え、[環境効率]を上げる商品を設計することを[エコデザイン]と呼びます。


生産ラインをグリーン化
環境問題解決の最重要課題は、廃棄物をなくし、資源を有効利用することです。そのために、生産ラインを廃棄型から循環型へ変換させる発想が生まれています。1つは、廃棄物を同一の製品の素材にもどす[インバース・マニュファクチャリング]です。また、どうしても出てしまう廃棄物を、他の製品の素材などにも利用して、最終的に廃棄物をゼロにするという考えが、[ゼロエミッション]です。


企業活動全般のグリーン化
企業活動において環境問題への対応がせまられているのは、製品の生産部門だけではありません。商品の配送、本社、事務所、営業所などの管理・販売部門でも、環境負荷を減らす努力をするべきです。オフィスでも、省エネ、紙などのリサイクル対策、リサイクル資源を使った商品を調達することなどが必要です。こうした、社内全体で環境対策の方針を定め、計画を立て、実行し、その結果をチェックする機能を、[環境マネジメント]といいます。


■企業のグリーン化による持続可能社会の実現戦略
illust
[出典]『エコデザイン』



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