今回、オムロンの環境報告書を通して、視点を自分の周囲にとどめるのではなく、もっと高く、もっと遠くへと向けることの大切さを教えられたような気がします。自分が直接的に使うもの、ふれるものが、快適で使いやすくなることはうれしいことです。でも、他者との関係のなかで生きる私たちとしては、それだけでは“生きやすい”とはいえないはず……。それはイコール、企業としてのあり方にも通じることなのではないでしょうか。
たしかに、名称は“環境報告書”ですが、環境対策をすることだけが、現在ある企業として、なすべき“すべて”ではないということ。むしろ、これからの企業市民としては、よりよい社会を実現するために、自社の特性をいかに生かしていくべきかを考えることこそ、大切だということ。
トップのコミットメントにも、“……ソーシャルニーズをセンシング&コントロール技術で解決することがオムロンの使命であり、企業の公器性を発揮することである……”との言葉が出てきます。そのありようを自他ともに考え、すすめていこうとしたものが、今回のオムロンの報告書だったように思います。
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