Digital Camera Basics
【その11】 [デジカメ相談室]〜みなさんの疑問にお答えします・1



 01 デジタルカメラの操作と撮影に関するご質問

Q5

旅行中に夜景を撮ったのですが、見た目にはきれいだったのにモニタで確認してみるとほとんどまっ暗になっています。何が悪いのでしょうか? うまく撮る方法はありませんか?



A まず、きれいに撮れるかどうかは、使用するデジタルカメラの機種(機能)が大きく影響します。夜景がきれいに撮れるデジタルカメラの条件としては、低速シャッターが使えるかどうか、ストロボを強制的にオフにできるかどうか、露出補正ができるかどうか、などがあげられます。

観光地の夜景ポイントなどで、遠くきらめく夜景を撮影するのに、本体内蔵の小さなストロボを“ピカッ”と発光させているのをよく見かけます。これは“焼け石に水”、ほとんどの場合、きれいに写りません。内蔵ストロボを発光させても、光が遠景にまで届かないだけではなく、デジタルカメラはストロボ撮影用の露出制御を行います。これでは、極度の露出アンダー(まっ暗)に写るのも当然といえます。

そこで先に触れた、使用するデジタルカメラのスペックが重要になってきます。

夜景をきれいに撮影するには、暗くてもストロボが自動発光しないように、ストロボを“強制オフモード”にすることです。これで、デジタルカメラはストロボの光をあてにしない露出制御を行い、きれいに撮れるようになります。この場合、シャッター速度は遅くなりますから、三脚が必需品になります。

また、夜景は相手が光っている発光体ですから、プラスの露出補正をしたほうが、多くの場合、肉眼で見た美しさを再現できるでしょう。

ここでもう1つのスペックがポイントになります。お使いのデジタルカメラが、低速シャッター速度に対応しているかどうかです。ストロボをオフにするということは、光が少なくなるということですから、シャッターを長い時間空けておく必要があります。露出補正でのプラス補正も、シャッター速度を遅くすることで画像を明るくしています。

しかし、低速シャッター速度を搭載していないデジタルカメラでは、ある程度明るい夜景なら問題ありませんが、光の少ない夜景のシーンではストロボを使ったときのような露出アンダーのカットになってしまいます。1秒以上の低速シャッター速度を搭載している、もしくはスローシャッターモードや夜景モードを搭載しているデジタルカメラのほうが、この場合、断然有利となります。

ここで使用しているキヤノンのPowerShot A50では、2秒からのシャッター速度が使用でき、夜景モードを選択することができます。


photo [全自動モード][ストロボ自動発光]で撮影すると、このように夜景は暗くなります。ストロボが届いていないのに、カメラ側は速いシャッター速度を使おうとするためです。
03
photo [プログラムモード][ストロボオフ]で撮影。ストロボ使用時よりは、夜景らしく写るようになりました。しかし、肉眼で見ているほどの輝きがありません。
04
photo [プログラムモード][ストロボオフ][プラス補正]で撮影。04と同じストロボオフの設定でプラス1&2/3段のプラス補正を行ったものです。光の部分は多少オーバーめですが、見た目のきらめきが表現できました。
05
photo PowerShot A50に搭載されている[夜景モード]で撮影したものです。とくに露出補正することもなく、見た目に近い適度な明るさになりました。05よりはわずかにアンダーめで落ち着いた露出となっています。
06


まずは、もう一度、お持ちのデジタルカメラの説明書をよく読んで、夜景の撮影に関して“可能な範囲”を調べてみることをおすすめします。




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