header


hdr
line

“イギリス人って、古いものをじょうずに再生させるんですねぇ”。ゴミちゃんは、すっかりテートモダンに感動してしまった。

“うーん、理由はふたつあるわね。まず、イギリス人は古いものほど価値があると思う人たちなのよ。英国人のメンタリティっていうのかな。ヴィクトリア朝よりジョージア朝のほうが尊ばれるし、高い! モダンなアパートに住んでいても、これはひいおばあちゃんのころからの椅子なんて、古いものを置くわけよ。アーティストたちも広いスペースが取れるから、古い倉庫や工場跡に住みたがるしね”。
photo
光と空間を生かした、ヨーゼフ・ボイスの作品


line

photo
アンディ・ウォーホールの『マリリン二部作』
ミッチさんいわく、そういう意識の代表者がチャールズ皇太子らしい。プリンスはモダン派建築に大反対で、いま、不評をかっている“ミレニアム・ドーム”なんぞ大キライらしい。自家用機でロンドン上空を飛ぶときは、パイロットにドームの上空は飛ぶなと命令するほどキライらしい。そんなプリンスも、テートモダンには大拍手で、よくぞここまで美しく残してくれたと、お褒めの言葉をたまわったとか。


line

日本、とくに東京のようにスクラップ&ビルドで、建物を建てては壊し、また建てるという発想とは対極だ。ミッチさんにいわせると、“まあ、こっちは石の文化。日本は木と紙の文化だからねぇ。そうそう残すこともできなくて、古いものを大切にしようって意識にならなかったんじゃない”。
photo
リキテンシュタインの作品、『睡蓮のあるインテリア』


line
prev back next

photo / Ben Nicholson