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最上階のガラス張りのカフェは気持ちいい眺め
この美術館の特徴は展示方法にもあらわれていて、作品を年代別に展示するのでなく、ヌードや静物といったテーマ別に展示している。1916年のモネの『睡蓮』のとなりに、1991年作の石のサークルがならんでいたりするのだ。

“古いものを大切にって話のつづきだけれど、あと、イギリスには建物の保存指定というのがあるのよ。日本にもあると思うけど、こちらは厳しいの。とくに第1級に指定されると、外観も内装もとにかく現状のまま維持しなくてはいけない。いっさいいじれないから、そのためには莫大な資金が必要となるわ”。


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で、テートモダンは第2級の指定だったそうだ。これは外観さえ保存すればOKというもので、比較的ゆるやか。それでも文部省のアートカウンシルからの補助金ではとうてい足りなくて、多くの寄付金を募ったという。たくさん寄付した企業や会社、個人の名前は、ちゃんとパンフレットにものっている。宣伝にもなるのだろうけれど、こういうことにお金をだす企業が、日本にはどれくらいあるんだろう?

最上階のカフェで、ランチ。ここは、テムズ河が一望できる大パノラマがご自慢。テートモダンのラベルのワインを飲みながら、ほろ酔いゴミちゃんは思うのだった。
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ベンさんが頼んだハンバーガー

“編集長。イギリスの人たちは古いものが大好きで、法律も古いものを保護するようになっているんです。でも、石の文化は残るから……日本も同じようにできるんでしょうか?”


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photo / Ben Nicholson