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プロに学んで、街に出よう
バイシクル・メッセンジャー

かつて、NYの摩天楼を風のようにすり抜ける、バイシクルメッセンジャーに憧れを抱いた人も多いはず。だけど、気がついたら、東京のメッセンジャーがそういう存在になっていた。街中をいともあっさりと走り抜け、見ている私たちを残して消えてしまう。「くやしいけど、カッコイイ……」そんな彼らに近づきたくて、出動前のメッセンジャーに、話を聞かせてもらった。
取材協力/矢田 雅博(T-serv所属)




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T-serv
矢田雅博(T-serv所属)

1973年、東京生まれ。大学卒業後、「雑誌に登場していたT-servのバイシクルメッセンジャーに憧れて」T-servへ。デリバリーには、ロードレーサー(MERLINのチタンフレーム)を使用。ほか、マウンテンバイク2台を所有する。メッセンジャー歴、約1年半。週末は、MTBのレースに挑む。


メッセンジャーの1日

「9:45、西麻布にあるオフィスに出社します。朝礼の後、身支度をして10:00ごろから出動。その後は、ランチタイムを除いて、ディスパッチャーから無線機に飛ばされるオーダーに従って、クライアントからクライアントへ、デリバリーを続けます。1日のデリバリー数は15〜20件くらい。帰社は、だいたい17:30〜20:30ごろになります」ちなみに1日のデリバリー数は個人差があり、多いメッセンジャーでは30〜40件こなすという。


彼らの持ちもの

メッセンジャーバッグ、無線機はあまりにも有名。メッセンジャーバッグの中身は、都内地図、伝票、おつり用のお金、携帯電話、伝票、パンフレット、携帯用ポンプ、タイヤの修理材、レンチ、サングラスなど。バッグの内側は、書類が濡れないようにナイロン地でガードされている。


メッセンジャーの原則

「ポリシーは、とにかく早く。5分でも遅れたら、クライアントが気にしなくても、自分が悔しい。」たしかに、『15分でピックアップ1時間以内のデリバリー』はT-servのウリだ。自転車といっても、バイクや自動車に負けない、むしろそれ以上のスピードが要求される。つまり、渋滞や込み入った路地、人といった障害を効率よく走り抜け、誰よりも早く目的地に到達するのが、彼らプロの走りだ。スピードは彼らの原則であり、プライドでもある。


最短距離を読む

「頭に最短のコースが入ってるのと、いないのとではスピードが全然違います。もちろん、気力、体力が基本。だけど、メッセンジャーはタフさだけではダメ。経験がとてもだいじなんです。一回行ったところは忘れないようにして次に備える。メッセンジャー同志の情報交換『あそこは、このルートのほうが早い』とか。そういう積み重ねも、ぼくたちのスピードを支えてる。海外では、30〜40歳の経験豊富なメッセンジャーが活躍しています」



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