減量と水

“サウナで減量”とか“スエットスーツで減量”
などといううたい文句を見ることがありますが、
これらはほんとうでしょうか。




サウナの利用法

サウナのなかは100℃前後で、さらに空気が乾燥していて湿度が低いので、大量の汗をかくことができます。その結果、たしかに体重は減りますが、これは汗で水分を失ったためです。そのため血液からも水分が失われ、血液が濃くなって血管がつまりやすくなります。

おまけにサウナから出るとノドがカラカラになり、水が飲みたくなります。これはからだが脱水状態になっているという信号です。ここで水を飲まないと、全身の血行をよくし、新陳代謝をよくするというサウナほんらいの効果が得られず、事故の原因にもなりかねません。



汗をかいてもやせない

水を飲んでもすぐにもとの体重に戻りません。しかし翌日には確実に体重はもとに戻ります。これはからだが水分の量を一定に保つように調節しているからです。 肥満は脂肪が原因ですが、汗はほとんどが水分です。水と油というように、汗から脂肪を取りのぞくことはできません。


肥満とは?

生活や運動により消費するエネルギーと食べものから摂るエネルギー量が同じであれば、体重は変わりません。運動量が少なく、消費するエネルギー量よりも食べものからのエネルギー量のほうが多い場合には、よぶんなエネルギーが脂肪として皮下に、さらに脂肪が増加すると肝臓に貯まり、この状態が肥満です。


やせるための理想的な方法

肥満の解消には運動量を増加させる方法と、ダイエットで食べものからのエネルギーを減らす方法があります。しかしダイエットで食事の量を減らすと、からだに必要なビタミンが十分に摂れず、また鉄分の不足で貧血になったり、カルシウム不足で骨が折れやすくなったりします。したがって運動量を増やし、運動量と食事からのエネルギーのバランスを高いレベルで調節することが理想です。



サウナでは、よい汗をかき、汗で失った水分とイオンを十分に補給しましょう。そして血行をよくして新陳代謝を亢進させ、気分を爽快に保つという、サウナの本来の目的のために活用したいものです。