冬とドライスキン

冬になり外気が乾燥してくると、
皮フもかさかさになってかゆみを訴える人が多くなります。




皮フの構造

皮フの表面は表皮と呼ばれ、その下にある真皮とともに皮下脂肪や血管を覆っています。表皮の最下層は胚芽層で、この部分で新しい皮フの細胞がつくられ、この細胞は皮フの表面へ移動するにつれて、キョク皮層、透明層、さらには角質層となります。このように皮フの細胞は絶えず新しく再生されているわけです。


潤いのシステム

キョク皮層と透明層の間にはバリアーがあって、からだのなかの水分が流れでませんし、お風呂に入ったり海水浴をしても、その水はからだのなかへは入ってきません。水のなかに長く手を浸けていると、手がふやけるのは、いちばん外側の角質層が水で膨化するためです。皮フはこのように防水装置を持っていますが、水蒸気は自由に通します。冬など、外気が乾燥しているときには、角質層にふくまれる水分量が減少し、皮フがかさついて、いわゆるドライスキンになります。


かゆみの原因

皮フには皮脂腺があり、この皮脂腺から分泌された皮脂によって角質層を覆い、角質層にふくまれる水分を保ちますが、加齢や皮フの病気でこの皮脂が減少し、また外気が乾燥して湿度が低下すると、ドライスキンになりやすくなります。ドライスキンになると胚芽層に分布する神経が刺激され、皮フのかゆみの原因となります。


ドライスキンを防ぐには

とくに高齢者では皮脂の分泌が低下し、ドライスキンになりやすく、ことにエアコンや過度の暖房による空気の乾燥も冬場のドライスキンの原因になります。熱いお湯に長く浸かったり、石鹸やナイロンのタオルやブラシなどで皮フをこすると皮脂が失われ、角質層が剥離し、ドライスキンを悪化させます。

皮フが乾燥した場合には、ワセリンなどの湿度を保ちやすい外用剤で、皮フの潤いを回復させ、刺激の多い肌着、飲酒、香辛料をさけるなどの注意が必要です。