水分量とイオン濃度の管理システム

からだの中の水分量は、体重のほぼ3分の2に厳密に
コントロールされています。また水の量だけでなく、食塩などの
イオンの濃さも精密に調節されています。では、からだは
どのようにして、このような調節ができるのでしょうか?





水分の量が減るとノドが渇き水を飲みます。したがって塩辛いものを食べた後には、ノドが渇いて水がほしくなり、また同時によぶんな塩分を尿として排泄します。反対に、水分を摂りすぎると薄い尿を出して血液のイオンの濃度を調節し、からだの中の水分の量と、イオンの濃度を一定に保ちます。体内では、こうした水分量やイオン濃度をいくつかのセンサーで監視しています。


監視センサーによるモニタリング

血液の量を測るセンサーは、心臓や腎臓にあります。ここを流れる血圧の変化をモニターしています。またイオンの濃度変化は、脳の下部にある細胞で感じるほか、腎臓や肝臓でモニターされています。これらの情報が脳に送られ、ノドの渇きを感じ、またホルモンや神経の働きによって、尿の量や尿のイオンの量を変化させます。


尿量をコントロールする抗利尿ホルモン

尿の量を調節するおもなホルモンは、脳の視床下部の神経細胞で作られ、脳下垂体から分泌される“抗利尿ホルモン”です。これはからだの水分が減少すると増加し、腎臓から水分が失われないよう水を回収させます。反対にからだの水分量が増加すると、このホルモンが減少して尿の量が増加します。


イオン濃度を調節するホルモン

尿へのイオンの排泄は、主として腎臓から分泌される“レニン”により、“アルドステロン”というホルモンの量が調節されます。このホルモンの量が増えると尿へ排泄されるナトリウムイオンが減少します。

このようにからだの水分の量とイオンの量は、多くのセンサーといくつかのホルモンの働きで、厳密に一定に保たれます。こうした腎臓の働きを外から助けるのが、水分の補給であり、イオンの補給です。体内のセンサー機能やホルモンのバランスを助けるためにも、水分やイオンの補給が大切です。