アルコールと水分補給

いよいよ春らんまん、お花見、新入社員や新入生の歓迎会など、アルコールを飲む機会がふえます。アルコールも適量であれば食欲を増進させ、血液循環をよくし、話がはずむなど利点も多いのですが、ともすれば度を過ごし二日酔いで苦しみます。最近では、一気飲みで命を落とす人もいます。






酩酊状態

アルコールは容易にからだ全体にひろがり、中枢神経系へ影響をおよぼします。その結果、教養、自制、遠慮などの抑制がとれ、活発、多弁となり不愉快なことを忘れて気が大きくなったりします。しかし精神能力テストをすると判断力、記憶力、洞察力などはいずれも低下しています。この状態を酩酊といいますが、その程度には個人差と環境が影響し、宴会などではより活発になり、度を過ごしやすくなります。


そして、急性アルコール中毒へ

酩酊の度がさらに進むと、運動をつかさどる神経が冒され、ろれつが回らなくなり千鳥足になり、感覚はマヒして痛みや寒さを感じなくなり、また催眠作用があるため、寒いところで寝込んでしまうこともあります。さらに酩酊が進むと意識の喪失、昏睡、低体温、頻脈などが見られ、いわゆる急性アルコール中毒で、応急処置が必要になります。血管を収縮させる神経の働きも低下しますので、脈拍が増加し動悸を訴え、皮フの血管がひろがります。血管の拡張は顔面からしだいにからだ全体にひろがり、これが進むと内臓に血液がたまり、今度は顔が蒼白になります。


アルコールを分解するには

アルコールは体内のいたるところに分布し、吐く息や尿からも排泄されますが、大部分が肝臓でアルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒドという物質に分解され、さらにこの物質はアルデヒド脱水素酵素により分解されます。しかし、これらによる分解速度は比較的遅く、1時間に10ml程度で、日本酒180mlを完全に分解するのには、約3時間かかります。さらにわれわれ日本人の半数近くは遺伝的にアルデヒド脱水素酵素を持たない人があり、これらの人はあまりお酒が飲めません。


二日酔い解消に

大量の飲酒をした翌日には、めまい、頭痛、食欲消失、吐き気など、二日酔いで苦しみますが、これは脱水、電解質異常、低血糖、からだの酸性化などが原因です。したがって十分な水分の補給とイオンバランスの回復が必要で、イオンドリンクが二日酔いに利くわけです。