インフルエンザと水分補給

ことしもインフルエンザの流行が心配されています。ふつうの風邪は、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・せきなどが中心で1〜2週間で治ります。しかしインフルエンザに感染すると、1〜2日後に突然悪寒とともに38〜40度の発熱・頭痛・腰痛・手足の痛み・食欲不振などがみられます。発病初期には鼻づまりや鼻水がみられますが、のどの痛みやせきは軽度で、むしろ回復期に多くなります。




まずは安静第一

インフルエンザの場合、幼児では吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・鼻血などが、乳幼児では高熱・ふきげん・食欲不振がみられます。このようなときにはまず医師にかかり、安静を保ちます。安静は回復を早めるとともに細菌の二次感染を防ぎ、小児・高齢者・妊婦・病人ではとくに大切です。


脱水症状に注意

発熱時、ことに下痢をともなうときには、からだから水が失われます。まず唇が乾き尿が少なくなり、さらに脱水が進むと口の中も乾燥して食欲不振・めまいや頭痛がくわわりますので水分補給が大切です。


イオンドリンクでの水分補給

汗や下痢から失われる水にはイオンが含まれるので、水分の補給とともに塩分の補給が必要です。水は小腸から吸収されるので、少しでも早く胃から小腸へ移り、また吸収されやすい組成の水を摂ることが大切です。これには0.2% 程度の食塩と2〜3% の糖を含んだものが適当です。最近では、補液用の飲料水(ポカリスエットなどのイオン飲料)が注射による補液におとらず脱水の治療に効果を発揮しています。


日常生活での予防

インフルエンザはせき・くしゃみ・会話などにより飛び散るウィルスから伝染するので、有効な抗ウィルス薬のない現状では、予防接種を受け・人ごみを避け・室内空気の換気や手洗いの励行など、予防にこころがけてください。また過労の予防・栄養のある食事・十分な睡眠など、日常生活での注意が肝心です。