年齢とからだの水分

私たちのからだの約3分の2は水からできています。
しかし、この水分量は年齢によってずいぶん変化します。




脱水になりやすいこどもたち

赤ちゃんはみずみずしい皮膚をしていますが、生まれたての赤ちゃんでは、体重の75〜80%が水です。その後じょじょに細胞が増え、それとともにからだの水分量も減少します。しかし、こどもの特徴はひじょうに活動的なことで、水分のからだからの出入りも多く、ことに下痢などが起こると脱水になりやすいことです。発展途上国のこどもの死亡率が高いのは、清潔な水が得られず、脱水になりやすいことも原因のひとつです。


女性のからだの水分量

女性では10歳以降女性ホルモンの影響でからだに脂肪が付き、女性らしいからだになります。しかし脂肪細胞はあまり水分をふくみません。したがって女性では男性にくらべ、約5%ないし10%程度からだに含まれる水分が少なくなります。とくに脂肪細胞が多く太った人では、からだに含まれる水分の量は体重の50%以下になることもあります。


高齢者のからだから失われる水分

からだに含まれる水分量は加齢とともに減少し、からだに含まれる水分の量が50%程度にまで減少します。まず高齢者の皮膚は水分を保つ力が減り、そのためにシワが目立つようになります。またからだから水が失われても、すぐにはのどの渇きを感じません。また腎臓の働きも衰えますので、尿を濃縮することができません。したがって同じ量の老廃物を排泄するためにより多くの尿が必要となり、からだから失われる水分の量も増加します。
このように、小児および高齢者ではその機序は異なりますが、脱水になりやすく、いずれも水分の補給が重要になります。