![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 午前11時、エレクトリックボート「清流」は、勝どき埠頭から静かに隅田川へと滑り出しました。川面で揺れていた光の粒が、さざ波とともに散らばってゆきます。隅田川から神田川に入り、日本橋川を経て埠頭に帰還するという、約5時間にわたる神田川クルージングがいよいよはじまりました。 旅のガイドは、NPO法人「あそんで学ぶ環境と科学倶楽部」理事長の中林裕貴さん。エコツアーを通して自然体験と環境保全に対する大切さを学んでもらうことが倶楽部の趣旨とか。「自分は船やボートが好きで、かつては日本各地の島巡りなど出かけていましたが、わざわざ遠いところに行かなくても都会にもこんないい川があるじゃないか、この川を元気にすることが自分の使命じゃないか、と気づいたんです。ただ、環境について考えようといわれても、ちょっと肩に力が入ってしまいますよね。だから川遊びを楽しむことで、川の魅力や問題点に自然に気づいて、感じてもらいたい、いままで背を向けていた神田川に親しみを持って意識を向けてくれるとうれしい。そんな思いで、この活動をはじめたんですよ」。 とはいえ、あの、神田川です。水源地の井の頭公園あたりでは、川らしい表情を見せてくれますが、ほとんどは無愛想なコンクリで固められた、下水が流れる排水溝、あるいは大雨のときには洪水を起こす暴れん坊、というネガティブな印象しかありません。 ![]() |
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