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12 トップアスリートの見るスポーツ栄養学(まとめ)
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トップアスリートと食事
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1年間書きつづけてきたこの連載も、今回が最終回になりました。たくさんの人たちに読んでいただき、ありがとうございます。私のほうも、とてもよい勉強になりました。

さて、サッカーのJリーグ、プロ野球ともに、プロのトップアスリートは、基本的に優勝しないと、プロとしての意味が半減してしまうともいえるわけですから、毎日が真剣そのものです。人生をかけている彼らの1日1日は、食事でも、練習でも、そして試合でも、すべての瞬間が真剣勝負。開幕と同時に、激しいストレスのなかでコンディションを保ちながら、戦いつづけるのは大変なことなのです。


そのなかには、相手チームとの戦いだけでなく、自分のとの戦い、さらにチームメイトとのポジションをめぐっての戦いまでもあり、ストレスの連続といっても過言ではないのです。また、成績がよければよかったで、今度はケガも心配しなくてはなりません。ちょっと調子がくるって、ケガをしてしまうと、それは針のムシロの毎日になってしまうからなのです。


だからこそ、私は食事だけは楽しんでもらいたいと思っているのです。

既婚の選手たちにとって、家族との食事をしながらの団欒は、唯一の楽しみです。もちろん、独身の選手たちも、たまに休日をもらって友だちとカラオケにいったりすることで、プレーを忘れることは可能です。しかし、私は、食事でそんな彼らにストレスを忘れてもらいたいのです。たとえば、寮に入っている選手には、夕食のとき、すこしだけ食事にワインをだすことで、ホッとする瞬間を作ってもらい、彼女の話とか、車の話とか、そういう会話が弾むようにして、食後はみんなで映画を見たり、ゲームを楽しんだりしてもらいたいと思っているのです。

選手たちの楽しみを倍増させることができるのが、食事なのです!
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ミニ栄養学講座・34
スポーツ選手の1日の食事量

スポーツ選手の食事量は、栄養代謝 + 日常の生活分 + トレーニング分で、1日4,500〜6,000キロカロリーになる(ちなみに、一般青年の1日の食事量は2,500キロカロリー程度である)。
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