header
11. テニス選手のための栄養学



line
テニスで大切なこと
line

テニスでいちばん大切なのは、すべて自分で考えることです。

練習メニューも試合の組みたても、すべて自分で考えることなのです。動きのなかで、詰め将棋のように相手を封じこめることが重要です。つねに考える習慣をつけてください。


現役時代の伊達 公子さんは、毎年自分で1年間のスケジュールを決めていました。いつ、どの大会に出場し、そのための選手登録、移動の飛行機や宿泊のホテル、練習のコートやコーチの予約をふくめて、すべてを1年のはじめに考え、それらを自分自身で予約し、スケジュールを組んでいたのです。

最近はチームで移動するなど、すべてマネジャーに任せてしまい、ホテルも遠征先も知らない選手がいますが、このような選手は試合の前の、この時点で勝負に負けてしまっているのです。ダブルスがあるにせよ、テニスは個人プレー種目。コンセントレーション(=集中)が必要になってきます。栄養学的には、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチンをバランスよく摂って、精神集中に役立ててください。

また、テニスはヒザや足首(足関節)の負担も大きく、準備体操やストレッチ、クールダウンをしないと、ケガや故障の原因になったりします。そのほか、テニス肘や手首の関節痛なども大きな特徴です。テニスをするときには、つねにケガを意識することも大切なことなのです。
line
ミニ栄養学講座・33
筋肉の痙攣

テニスの試合で、足をつったり、筋肉の痙攣を起こしてしまい、思いっきりプレーできずに負けてしまう選手とかがいる。そんなアクシデントを防ぐのがカルシウム! カルシウムは骨格を作るだけじゃなく、筋肉の収縮運動にも大きくかかわっているのだ。
illust


最後に、私が8年間チームドクターをしている亜細亜大学硬式テニス部の話をしたいと思います。亜細亜大学は、この期間、学生王座を男女ともに奪取したこともありました。また、去年のように、男女準優勝で涙したこともあります。私も彼らを通じて、テニスと接するなかで、長い大会でベストコンディションを保つことのむずかしさを学びました。そして、今年はまもなく4年生が卒業し、新しい1年生が入部してきます。

私のほうは血液検査にはじまり、栄養の摂り方や生活の仕方、スポーツ医学のABCを教えなくてはなりません。小さなことからひとつひとつはじめるのです。しかし、それが私にとって、このうえない楽しみなのです。なぜなら、これがかれらの4年間の夢のはじまりであり、私もその夢をいっしょに歩んでいきたいと思っているからなのです。

no back no