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 はじめに スポーツの“ケガ”―スポーツ傷害とは。
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*[傷害]とは“外傷”と“障害”を合わせたものとして、このコーナーでは用いています。


illust 愛好者と競技者では異なる、治療の“ゴール”
スポーツ傷害は、スポーツ選手に限られた特別なものではありません。一般の人がスポーツを行うことでも起こる可能性のあるものです。診断や初期治療に対する考え方は、すべてのスポーツマンに共通のものと考えてさしつかえありません。
しかし、スポーツ愛好家とスポーツ選手では、達成すべき治療のゴールが大きく異なります。スポーツ選手では、その競技レベルに応じた運動負荷に対応できる状態まで回復することが、競技に復帰できる必要条件となります。


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“できるだけ休まずに”という、ポジティブな治療法

スポーツのしすぎによって起こる障害、いわゆる使いすぎ症候群(オーバーユース症候群)は一般的に、そのスポーツを休むか、運動量を落とせば治ります。しかし、競技としてスポーツを行っている選手は、できれば休まずに、治療しながらでもスポーツを続けたいと思うのは当然なことです。たとえば、多くのプロサッカー選手は長期にゲームから離脱すれば、翌年の選手契約の保証はありません。
しかし、病院の診療では、どんな障害に対しても“やりすぎなので休んだほうがよい”というネガティブな治療に対する考え方が、まだまだ一般的です。これは、スポーツの現場の現実と、病院の医師の考え方に大きなギャップがあるためです。
今、スポーツの現場では、“障害を予防する方法は何か”“休まずに治療できないか”“短期間に無駄なく治療ゴールに到達できないか”といったポジティブな治療法が求められています。


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最新の科学に基づいた、スポーツ傷害の捉え方と治療法を知る

病院の治療の不十分さゆえに、スポーツ選手は整骨院、鍼灸院などで治療を受けるケースが多いようです。しかし、どんな傷害も第一にドクターによる正しい診断と治療法の提示が基本です。これは遠回りせずに、後遺症を残さず、傷害を治癒させるために必要なことです。
このコーナーでは、経験のみに基づいた古い治療法ではなく、最新の科学に基づいた傷害の捉え方やその治療法を紹介していきたいと思います。種目ごとの解説を中心としていますが、他の種目の傷害の治療にも十分応用できますから、ぜひ参考にしてください。


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