![]() |
| |||
少年と老人は、天の川の島で巨人と魔法使いに、流れ星のかけらからつくった銛をもらい、見事怪魚をしとめて帰ってくる。 たむらしげるは、イラストレーターとして活躍し、彼の絵はテレビのCMなどのアニメーションにも登場しているが、独特のファンタジーを描くマンガ家でもあった。 彼の世界観には、軽やかな想像力のつくる“自然”や“町”や“人物”たちが登場する。 ガラスでできていて、ゆっくりとうねる海。人をもてなすのが好きな歩く家。夜、歩いているとどんどん大きくなって、地球を踏み越えて銀河に漂ってしまう老教授。雪や氷だけでできた人間、動物、樹木、建物の世界。 多分、彼は宮沢賢治の歩く電柱や銀河鉄道の現代的な後継者だ。 でも、たむらの画像にはもっとイメージの重なりがある。たとえば、水の底にみえる“もうひとつの海”[図2]。 |