NN:いままでは、山奥にある河川に発電所を建設してきたわけですが、マイクロ水力発電の場合、人が生活している場所にある、既存の設備に流れている水を利用します。いままでとは勝手がちがうことはありませんか?
東京発電:専用の水力発電所とちがい、都市部の水道の場合、水を安定的に供給することが本来の目的ですから、これに影響を与えないようにするのが、いちばん苦心するところです。新しい設備ですから、当然自治体も慎重です。第1号が川崎市水道局の江ヶ崎発電所で、この江ヶ崎発電所が順調にいったため、川崎市の水道局で、ほかの水道局の方々も招いての勉強会を開いていただき、徐々に広まってきました。
NN:もっとマイクロ水力発電を採用してもらうためには、コストダウンも必要ですか?
東京発電:はい、水力発電の長年のノウハウから、水力発電事業に必要な要素を分類し、お客さまが必要に応じてサービスを選べるビジネスモデル『アクアミュー』を開発しました。落差、水、土地、こうした「水力発電資源」をお持ちのお客さまは、資源さえ提供していただければ、あとは必要に応じて、私たちが提供する計画・設計/法手続/建設工事/運転保守/資金管理のサービスメニューを選んでいただくことができます。
さらに、いままで水力発電は、設置する場所にあわせて個々に設備をつくる「オーダーメイド」だったのですが、発電機を「レディメイド」にして流量と落差に応じてS/M/Lの3つのタイプをつくり、コストを抑えるように工夫しました。
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