NN:そういう“流れ”が、やっとできはじめた……段階なんですね?
東洋インキ:そうですね。インキ業界全体をみても、大豆インキの生産は年を追うごとに増えています。当社でも、大豆油を使用したインキの生産量は、オフセット印刷用インキ全体の60%となっていますが、ただ、これは“通過点”にすぎないと考えています。
NN:通過点というと?
東洋インキ:現在生産されている一般的な大豆インキは、大豆油(植物系溶剤)に加えて、10〜20%ほどの石油系溶剤も含んでいるのです。印刷の質を考えた場合、石油系溶剤をまったく使わないインキというのは、技術的にむずかしいものでした。
しかし、各社の研究・開発の成果もあり、現在では、石油系溶剤をまったく含まない“ノンVOC(揮発性有機溶剤)インキ”も実用化に至っています。これは、“ベジタブルインキ”とも呼ばれ、一般的な大豆インキよりも、さらに環境負荷の少ないインキということになります。 |