その10 節水により……地球温暖化防止に貢献、TOTOの場合


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世界の水不足に挑戦する、TOTOの技術
NN:ところで、TOTOの節水便器が海外で評判だという話を聞きましたが……。

TOTO:TOTOがアメリカに進出したのは、7年前です。当初は、知名度もなく価格も高かったので、なかなか売上が伸びませんでした。ところが、まず、慢性的に水不足に悩むカリフォルニア州で節水型便器の製造が義務づけられ、1994年にはエナジー法で、アメリカ全州でトイレを1回流す際の水量を6リットル以下にすることが定められました。違反した製造業者や施工業者には、罰金が課せられるようになったのです。TOTOは少ない水量で汚物をキレイに洗い流せる技術があったので、短期間でこの6リットル便器の開発に成功しました。結果、ターゲットである中・高級市場のシェアが0.1%から10%に伸びたのです。

世界には、水不足に悩む国がたくさんあります。アメリカのほかに、ヨーロッパ、カナダ、ブラジル、中国でも、一度に流す水の量は6リットルになってきています。北欧やシンガポールは4.5リットルです。TOTOは、この分野で地球環境全体に貢献できたらと思います。

日本では自治体によって流す水の量が決められていて、逆につまることをおそれて8リットル以上で流しなさい、という規制をかけるところもあります。日本も、行政がもう少し柔軟に対処してくれるといいと思うのですが……。

NN:これからTOTOとしては、どのように環境対策を推進していかれるのでしょうか?

TOTO:いままでお話しした以外では、建築廃棄物処理の問題です。現在、最終処分される産業廃棄物の約半分は建築廃棄物です。その廃棄物のなかには、TOTOの製品も入っているわけです。

工場から出る陶器等の廃棄物は、路盤などにリサイクルしていますから、回収できればリサイクルする技術はあります。ただ、建築廃棄物として解体する際に、TOTOの製品だけ分別して回収することは非常にむずかしく、費用の問題もあります。TOTOだけでは解決できない問題ですが、問題意識をもって取り組んでいます。

NN:廃棄物の問題は、TOTOにかぎらず、製品をつくるすべての企業にとっての課題となっていますよね。たしかに、業界内の連携や行政など、社会全体で解決していかなくてはならない問題です。本日は、生活者としても、とってもためになりました。ありがとうございました!


TOTOは2000年の5月に、社内外に向けて“クリーンタウン計画”を発表しました。“独自の環境技術による環境に配慮した家づくり・街づくり”“リデュース、リユース、リサイクル処理システムの確立”“社員全員が環境問題のスペシャリストになる”という3つを、この計画のなかで宣言しました。

“クリーンタウン計画”の広告のなかで、“きれいに生きる”という表題の下に、“その「キレイ」に地球も入っていますか”という副題が入っています。

家のなかだけをキレイにすればよいのではない、それとともに、街も地球もキレイにしなければ……いまや“あたりまえ”のようでありながら、まだまだ“言うは易し……”です。その実現に向け、TOTOは果たすべき役割を、明確に打ち出しているのです。


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設計者のためのショールーム“TOTOテクニカルセンター” ハイドロテクトの効果を実験する TOTOのエコ商品“レスティカ”の構造 環境技術を駆使したシステムキッチン

◎TOTOのHP CSR(企業の社会的責任)
http://www.toto.co.jp/company/kankyo/index.htm



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