その9 社会と“共に”考える環境対策、資生堂を訪問


04
社会とともに……“エコのうねり”を
NN:最後に、今後の環境対策の展望はいかがでしょうか?

SSD:そうですね、いままでの環境活動は、社内中心の活動でした。しかし、今後は取引業者、お客さま、行政などのステークホルダー(利害関係者)、すべての方たちといっしょになってやっていきたいと思っています。“社会と共に”というのが資生堂のポリシーのひとつです。福岡から開始するびん回収にしても、賛同していただいたお店やお客さまと、ともに行います。このように、社外にも“エコの波”を広げていきたいと思います。

もうひとつは、環境会計です。環境問題への対応をすると、費用ばかりかかってしまうと思われがちですが、工場へ環境対応のための設備を導入するなどした際にも、対投資効果がわかる仕組みづくりをしていきたいと思います。1999年版の環境報告書では、環境関連費用のみを掲載しましたが、2000年版は、対価として削減できた費用なども効果として公表していきたいと思います。最終的には、環境活動で得られた効果を、次の環境活動への投資に振り向けられるシステムが構築できればと考えています。

NN:私たちも、ぜひ協力していきたいと思います。本日は、ありがとうございました。


資生堂は、自ら業界に先駆けてフロンの使用を廃止し、1998年には新しくポリ塩化ビニル全廃、工場の産業廃棄物リサイクル率の向上・最終処分量の削減、二酸化炭素排出量の削減、工場のISO14001の認証取得などの環境目標を、具体的に実現年と数字をあげてを公約しています。

化粧品やトイレタリー商品は、消費者の嗜好にもっとも敏感な商品であるだけに、消費者が環境配慮をした製品を望むかどうかに、大きく左右される商品であるともいえます。資生堂の方がおっしゃっていた……資生堂の環境対策は、“お客さまと共に”発展していくもの……この言葉は、そう理解したいと思います。

今回の訪問では、私たちは、もっともっと環境を意識して商品を選択しなくてはならないのではないか、そのためにも、子どものころからの環境教育をもっと重要視しなくてはいけないのではないか、そんなことを考えさせられました。


■エコパッケージ・デザインのイメージ “エコの木”
graph
[出典]資生堂・99年版環境報告書

◎資生堂HP 環境問題への取り組み
http://www.shiseido.co.jp/csrreport/



prevback to top
トップページ プライバシーポリシー サイトマップ
NatureNetは 株式会社青木コンセプト事務所 が発行するオンライン・マガジンです
Eyes on the Globe