その9 社会と“共に”考える環境対策、資生堂を訪問


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環境問題から創業の志を再認識
中国の古典『易経』に、“至哉坤元 万物資生”(大地のめぐみは、なんと素晴らしいことか、万物はこの大地より生ずる)とあります。1872年に福原有信は、このことばをもとに資生堂を創業しました。それから1世紀以上を経た時点で、大きく発展を遂げた資生堂は、環境への配慮、つまり大地=地球への配慮を通じ、あらためて自らの社名を認識することになります。

資生堂は1989年、他の企業に先駆けてオゾンホールの原因となっているフロンの使用を全廃することを宣言し、翌年全廃を完了させました。これを契機に1991年には地球共生委員会を発足させ、環境問題に本格的に対応するべく全社的な組織づくりを開始、翌年には資生堂の環境対策の憲法ともいうべき“資生堂エコポリシー”を制定しました。

その後、環境対策の社内規定であるグローバル・エコスタンダードを策定し、エコポリシーを体系的に具体化していきます。その努力が評価され、今年(2000年)、第9回地球環境大賞 * の“環境庁長官賞”を受賞しました。

私たちの生活に欠かせない化粧品やトイレタリー商品を扱う業界では、資生堂がはじめてこの賞を受賞しました。消費者の嗜好が大きく影響するこの業界にあって、資生堂はどのように考え、どのように環境対策を進めているのか、うかがってみました。

今回お会いしたのは、生産本部技術部課長の小又 昭彦さんです。


*地球環境大賞:産業の発展と地球環境保全に貢献した企業などを顕彰することを目的に1991年に、世界自然保護基金日本委員会の特別協力を得て、日本工業新聞社が主催し、フジサンケイグループが後援する、日本の環境保全表彰制度では最も権威のある賞。


■“資生堂エコポリシー”とは?
資生堂はすべての事業活動において地球環境の保全に努めるため
 1. 生態系に配慮し、資源・エネルギーを大切に利用します。
 2. 環境に負担をかけない新技術の開発と応用を促進します。
 3. 一人ひとりの環境保護意識の向上を図ります。
 4. 地域や社会との連携に努めます。



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