その8 “あるべき姿”に挑戦する……宝酒造の環境対策


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企業が負担すべき2つのコスト……とは?
“企業活動のコストには、企業が負担する経済的なコストのほかに、地球が負担しているコストが存在する”……だから、企業が経済的なコストを削減する努力をするように、地球が支払うコストも削減する努力をしよう……そう宝酒造株式会社は、考えました。

ここ数年、環境報告書を発行する企業が増えていますが、宝酒造はそのなかでも最もユニークな報告書を発行しました。その名も、“緑字決算報告書”。企業経営の成績は“赤字・黒字”で表しますが、環境面での収支を、“緑字”と名づけたのです。

緑字決算報告書では、“環境負荷削減”と“社会貢献”を、環境対策の2本の柱としています。特徴的なのは、環境負荷削減対策の数値の出し方です。環境負荷を原材料の調達、電力、二酸化炭素、硫黄酸化物などの11の項目に分けて、使用量・排出量を測定し、基準年の数字とくらべて、改善された比率を出します。

さらに、宝酒造が取り組むべき重要度によって重みづけをし、環境活動全体の成果を“エコ”という単位によって表します。

“排出する二酸化炭素がXXトン減った”“廃棄物がXXトン減った”と、個々にいわれても、企業全体でどれくらい環境負荷が改善されたのか、その量がどれくらい意味があるのか、一般の人にはわかりにくいものです。重みづけをすることにより、トータルで宝酒造がどれだけ環境対策を成功させたか、今年はどの環境対策が前進したのか、一目でわかるようになります。

もう1つの柱である“社会貢献”は、1979年にスタートした“カムバックサーモンキャンペーン”からはじまった自然保護活動と、後述する“クリーンCANウォーキング”などの環境啓発活動です。社会貢献活動は、企業活動による利益を地球環境に還元するという意味があり、宝酒造の収益に比例することになります。

そんな斬新な報告書を発行する、宝酒造株式会社。以前から楽しみにしていた訪問先です。環境・業務部次長の吉田 陽さん、広報部の奈良 有里代さんにインタビューをすることが実現しました。

緑字決算報告書については、かなりマスコミでも取り上げられています。また、宝酒造のホームページでもご覧になれます。今回は、宝酒造が自社の企業活動のなかで最も責任が大きいと考えていらっしゃる、また私たち消費者にとっても興味のある、容器包装についてうかがいました。


■1999年度・環境負荷削減 緑字
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[出典]宝酒造HP
◎くわしくは、宝酒造のHPをご覧ください
 http://www.takarashuzo.co.jp/



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