その4 “廃棄物再資源化100%”のアサヒビール茨城工場!
NN
:いま、家電リサイクル法などの施行などで、家電メーカーは家電製品のリサイクルに苦慮しています。アサヒビールで行っていらっしゃるノウハウは、ほかの業界でも応用できるのではないでしょうか?
AB
:そのとおりだと思います。昔は、ビール工場見学の目的はビールでした(笑)。最近は、100%再資源化をどのように達成しているのか、アサヒビールは環境問題にどういった姿勢で取り組んでいるのかを聞きたいと、やってくる方が増えています。
NN
:今後の課題は?
AB
:廃棄物リサイクル100%を、きちんと維持していくこと、そして、さらにレベルアップしていくことです。廃棄物や副産物の、より付加価値の高い用途への活用や、新しい分野での利用方法など、研究開発を進めています。
もう1つはわが社で注文するものも、分別、リサイクルのことを考えて、単一素材の製品を購入したいと思いますね。また、使う頻度の多い物は、納入企業に対して工夫をこらすように働きかけます。納入企業との信頼関係も大事ですね。
それと、当工場全体としての環境方針は、これに書いてあります。(カードを取り出して)これを社員全員が携帯して、いっそうの環境活動に対する意識を喚起するようにしています。
事務所内でも細かい分別。使用済みのボールペンを入れる場所も、ちゃんとあります
NN
:これを、みなさん携帯していらっしゃるのですか?
AB
:全員が持っています。
NN
:仕事のうえでこれだけ分別を意識するようになると、家庭でも意識するようになりますよね。
AB
:なります。ゴミの分別は私の担当です(笑)。
NN
:そうやって、どんどん輪がひろがっていくんですね!
AB
:私たちは、ここでお客さまと接していて実感しているのですが……品質だけを標榜していたのでは、これからは売れない、品質の裏にある環境に対する姿勢を明確に訴えていかなければ、ビールがいくらおいしくても、飲んでいただけない……そういう時代に入ってきたなと思います。
NN
:どうも、ありがとうございました。あ、それと、ごちそうさまでした!
訪問記のまとめです。
なにも捨ててはいけません……そう言われたら、みなさんどうしますか? 廃棄物再資源化100%とは、そういうことです。リサイクルする道を必死にさがし、リサイクルしやすい商品を選び、容器や包装はなるべく省きたい。そう思うようになると思います。
Nature Netの編集部も、この[21世紀の“環境経済”入門]を毎回制作しながら、循環型経済社会の実現なんて“やっぱり夢なのではないだろうか”と、どこか“半信半疑”のところはありました。でも、いまは、循環型経済社会の原型をこの工場で見た思いがします。人間の意識のもち方と、創意工夫で、循環型経済社会は実現可能なのですよ、きっと!
◎工場見学を希望される方は……まずは、ホームページで、アサヒビールの取り組みをチェックしてみてください!
http://www.asahibeer.co.jp
広大な敷地に整然と並ぶのは、もちろんビールの貯酒タンク。
この大規模な工場から排出される廃棄物は……全部リサイクルされている!
まったくもって、その努力には頭が下がる思いです!
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