その3 “ビールからエビオス”……優等生・アサヒビールを訪問!


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環境ISOで襟を正す
NN:アサヒビールは、積極的にISO取得に取り組んでいらっしゃるようですね。

AB:う〜ん、じつはそうでもないのです。電気関係などの企業は、96年、97年ごろに取得していらっしゃるのですが、わが社は98年に福島工場が取得し、99年に4工場、今年3工場が取得し、やっとすべての工場が取得します。

NN:ISOの必要性を感じていらっしゃいますか?

AB:ええ、非常に感じます。ISOの環境マネジメントシステムはとてもシステマチックで、馴れ合いになりがちな日本の管理に対して、きちんと対処法などを定めるようになりますので、企業内で環境活動を維持していくには欠かせないシステムだと思います。それともう1つ、外部から定期的にサーベイランスを受けるので、内部で見逃されていることもしっかり指摘してくれます。

もう1つのメリットは、常に環境を意識するようになることです。つまり、企業内の環境マインドの調整に役立ちます。先日、福島工場でサーベイランスに立ち会ったのですが、この審査を受けることで環境管理への必然性が生まれ、ISO審査会社が期待した以上のシステムを構築していると、大変ほめていただきました。その意識が高じて、実は私もISO審査員の資格を取りました。これで、工場が取り終わりましたので、次は本店でISOの認定を受けたいと思っています。

NN:本店で取得するのは、人が多いので社員全員にシステムを浸透させるのが大変ですよね。

AB:ええ、気が遠くなります(笑)。

NN:社員の1人1人の環境への意識を喚起させるのが大切なのでしょうね。

AB:環境への意識づけをするために、今年になってからだいぶ“仕掛け”ています。省エネ活動とか、環境家計簿を社員に配り、常に環境への意識を醸成させる方法を、いま考えています。


めざすは一歩進んだ環境企業
NN:最後に、読者、つまり消費者のみなさんにおっしゃりたいことありますか。

AB:製造にともなう環境負荷をいかに減らすかを環境レポートにまとめましたが、ビール業界でもリードする立場になったので、もう一歩積極的に地球環境に貢献するようになりたいと思います。たとえば環境NGOを支援したり、独自の植林とか、まだあまり具体的ではありませんが……。

NN:本日はありがとうございました。もしできれば、廃棄物再資源化100%を達成した工場を見せていただければありがたいのですが……。

AB:東京からでしたら、茨城工場がよいのではないでしょうか。

とういうわけで、来月は茨城へ取材に行きたいと思います。環境対策を圧力としてとらえるのでなく、“やってみよう”という心意気で前進するアサヒビール株式会社。そこにはやはり環境対策の重要性を認識する経営者と、本社や工場の“一工夫、一汗”が生きているように感じました。環境対策は、まだまだ暗中模索の状態のはず。そのなかで、インタビューに対してとても率直な回答をしてくださいました。そこには、業界トップ、環境先進企業である自信さえ感じられたこと、ご報告しておきます。


物質フローに見るインプット、アウトプット 1998年
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[出典]アサヒビール[エコレポート]

◎アサヒビールの“環境コミュニケーションレポート”は、以下のアドレスで ご覧になれます。
 http://www.asahibeer.co.jp/csr/eco/index.html



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