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ゴミ問題への取り組みは?
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NN:全社的にゴミの減量化に取り組んでいらっしゃるそうですが、どのように運営されているのですか?
IY:イトーヨーカドーでは、環境対策は、プロジェクトとして運営しています。経営陣からアルバイトにいたるまで、方針を徹底させるために、各店鋪の次長がオペレーション・マネージャーとして社員1人1人の役割分担をはっきりさせて、くり返し教育を行っています。廃棄物の処理を委託している業者さんとも情報を常に交換し、効果を上げています。
NN:“333キャンペーン”って、なんでしょう?
IY:97年から、“ゴミの3割削減”“3分別の徹底”“ゴミ袋3回使用”を軸に展開しているのが、“333キャンペーン”です。アルバイトやパートさんでもすぐわかるように、分別を絵にして説明しました。働く人の意識が向上し、フィードバックも返ってくるようになり、結果、リサイクルされるものが、前年度比113%と増加しました。廃棄物は10%削減することができました。
[出典]イトーヨーカドー『環境マネジメントレポート』
*[木製什器][混合什器] 98年度は、衣料、住居フロアを含む大規模な改装実施店舗が多く、木製および混合什器の廃棄量が増加しました。
*[金属什器] 97年度は、食品フロアを中心とした店舗改装が多かったため、金属什器が多くなりました。
*“ごみの1割減量化”は、再生できない紙ごみ、プラスチックごみ、および生ごみの合計値を比較したものです(97年度合計:73,041トン、98年度66,004トン)。
*98年度のリサイクル物に計上されている[牛乳パック]は、イトーヨーカドーでのリサイクル分のみで、地域団体分は含みません。
*98年度より、中京地区でも[発泡スチロール]のリサイクルをスタートしました。
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生ゴミは? 食品トレイは?
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NN:私たちがスーパーから帰ると、手さげ袋から、食品ラップ、衣料品などの包装袋など、かなりの量のゴミを捨てることになりますが……?
IY:イトーヨーカドーでは、1970年代から、包装の簡素化を継続的に進めてきています。また、塩ビ包装材も使用を削減してきています。
生鮮食料品のラップについては、97年より非塩ビのフィルムに変更し、98年までに100%完了しました。トレイも、従来の発泡スチロールより20%軽いトレイを開発し、テスト実施しています。食品販売の少量化により、97〜98年でトレイの数量は増加しているのですが、軽量化することによって発泡スチロールの使用量が減ることは期待できます。
NN:生ゴミは、どのように処理されるのですか?
IY:生ゴミは、廃棄物のなかに占める割合がもっとも大きいので、この再利用化については、おおいに必要性を認識しています。
また、農林水産省が“食品廃棄物再商品化法案”を検討中でもあり、いずれ実行しなければならないと思っています。しかし、どのシステムを導入するのか、決め手がないのが実情です。各店鋪で処理するのか、集中管理がよいのか、バイオ処理するには、菌のコストはどうとらえるのか。などなど、検討していかなくてはなりません。
NN:私たちは、スーパーに行く際、魚や肉が入っていた発泡スチロールのトレイを、家で洗って、スーパーの回収ボックスに入れます。その後、イトーヨーカドーでは、どのように処理されるのですか?
IY:発泡スチロールは、消費者から返ってくるだけでなく、各店鋪に魚や野菜を搬入するときにも使います。そのまま廃棄すれば、廃棄の費用もかかってしまいますし、資源を無駄にすることになります。そこで、イトーヨーカドーでは、生鮮センターから生鮮品を搬入したトラックのもどり便を利用して、発泡スチロールを再び生鮮センターにもどします。廃棄物処理業者と契約し、センター内に発泡スチロール再生工場を建て、ここで、回収したスチロールを再資源化しています。ご覧になりますか?
NN:ぜひ!
というわけで、次回は再生工場の見学レポートを含めた、後編をお届けします。
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