第10回 グリーン調達とグリーン購入


01 グリーン購入法とは?


2000年に成立した6つの環境法案
2000年の国会で、循環型社会形成推進基本法をはじめとする環境法案6法が成立しました。基本法案以外の5つの個別法のうち、[資源有効利用促進法][食品リサイクル法][建設リサイクル法][改正廃棄物処理法]、この4つの法案が、資源の有効活用を目的とするリサイクルに関する法律です。

しかし、いくら資源をリサイクルしても、リサイクル品の需要を拡大しなくては物資は循環ません。そこで成立したのが、[グリーン購入法]です。

いまでも、リサイクル品や省エネ型のエコ製品はありますが、いまひとつ普及していないのは、メーカー側からいわせると、“需要が少ないために大量生産して価格が下げられない”からであり、消費者からいわせると“そういう商品がほしくても高いし、そういう商品は簡単には見つからない”からと、両者のあいだには、責任を押しつける論議が繰り返されています。

そこで、公共機関がエコ製品を積極的に購入して、需要をつくりだし、価格を下げて普及をはかろうという官主導型の市場変換策が、グリーン購入法(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)で、2001年4月に施行される予定です。


まずは、国が率先して行動を
グリーン購入法に先立つ1995年、国が環境保全のために率先して行動する、“率先実行のための行動計画(率先実行計画)”が閣議決定されています。計画のなかで、国が紙類、自動車、コピー機などについて、率先してエコ製品を購入することを決めました。しかし、目標値が政府全体の数値であったため、紙類などは目標を達成できても、低公害車などエコ製品が普通の製品にくらべて高額な商品は、ほかの機関が買うことを期待して目標を達成することができませんでした。

調達の責任の所在を明確にするために、今回成立した法案では、国の各機関、特殊法人などに対して、“調達方針を”毎年度、作成・公表し、それに基づいて調達を実行し、実績を公表して環境大臣に報告することを義務づけました。そして環境大臣は各大臣に、必要ならば、改善などの要請をすることができます。

目標は、とくに調達を推進する特定調達品目、つまり“再生紙を利用した情報用紙・印刷用紙”“低公害の公用車”“低電力型コピー機”に対しては、それぞれ“○○%調達する”という具体的な目標を設定しなくてはなりません。特定調達品目以外に関しては、定量的に表すか、定性的に“エコマーク商品を調達します”と表すなど、表現は各機関にゆだねられます。

しかし、エコ製品を調達するにしても、具体的にエコ製品とはなにを指し示すのか、明確な定義がなければ目標も設定できません。そこで、環境庁は2000年9月より、山本良一・東京大学生産技術研究所教授を委員長とする“特定調達品目検討委員会”を設置し、数値などをあげて、明確な基準づくりに取り組んでいます。


■グリーン購入法のしくみ
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[出典]環境庁HP



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