EOGレポーターのフィールドノート EOGレポーターズ・ギャラリー
 「温海カブ」〜 花咲くころ
写真
スライドショーで楽しむ 1ページずつ読み進む
外内島(トノジマ)キュウリは、山形県庄内地方の在来野菜です。名前はその地名に由来します。鶴岡市外内島地区、ここでいつごろから栽培されるようになったのか、正確にはわからないけれど、外内島地区でいまも栽培を続けている上野 武さん(67歳)の話によれば、「生きていれば102歳になる母親のころには、もう栽培していたというから、少なくても80年から90年は経っていると思う……」と。

「40〜50年ぐらい前は、鶴岡で胡瓜といえば外内島キュウリだったが、果実が各節ごとに付かない性質から収穫量が少ない、日持ちがしない、蔓を上に高く伸ばせるようにしてやらないと生育が良くないとか、栽培の大変さもあって、いまも栽培しているのは(上野さんを含め農家)2軒だけになってしまった」とも。

昭和51年発行、青葉高著『北国の野菜風土誌』によれば、「果実は長さ25cm直径6cm程度の長楕円形で、緑色は淡く尻部は乳白色で……」とあるが、現在は漬け物用として長さ12〜13cm、直径3〜4cm程度で収穫されているそうです。生産量極々少量。

皮が薄く果肉が締まっていてジューシー、氷水で5〜6分冷やした生の外内島キュウリに塩をひと振り、これがまた、うまいんです。収穫は6月中旬から7月末ごろまで。

2006年7月
このコーナーのトップへ

Nature Net は株式会社青木コンセプト事務所が発行するオンライン・マガジンです