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 「温海カブ」〜 花咲くころ
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温海(アツミ)カブは、山形県庄内地方の在来野菜です。名前はその地名に由来し、わが国ではもっとも古いカブ品種のひとつといえ、350年ほど前の古文書などにもその名が登場します。

現在も温海町一霞(ひとかすみ)地区(現・鶴岡市)では、伝統的な焼き畑農法で栽培されており、採種も行われています。

収穫は、10月ころから雪で覆われるまでの間、大きくなった物から順々に行われ、ほとんどは、漬け物に加工されますが、なますや汁物でも美味しいです。

このカブは、日本では珍しい焼き畑で栽培される西洋種の丸形の赤カブで、果皮は濃い赤紫色に着色しますが、果肉は真っ白です。花は黄色の4弁花。4月〜5月ごろ、花茎を1メートルぐらい伸ばし、多数別れた小枝の先に、小さい黄色の花を総状に咲かせます。

そして今年も、温海カブの黄色い花が、新緑の山間に揺れていました。

2006年5月
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