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セントラル・コーストの水と大地
レポーター:マシュー・ワーナー
カリフォルニアのセントラル・コースト(サンフランシスコとロサンジェルスの間の海岸地方)、その気候は、太平洋に大きな影響をうけます。

夏の間、北から流れてくる冷たい海流(カリフォルニア寒流)と、陸地の温かい空気がぶつかり、霧が発生します。夏の朝は、霧が深く、なにもかもが湿気をおびています。通常、霧は数マイルしか内陸には進まず、内陸の渓谷地帯と沿岸地域を隔てる海岸山脈を越えることはありません。そして、正午までには、だいたい晴れますが、ときには午後中、ぶ厚い霧が毛布のようにモントレー湾にかかることもあります。

それでも、夏の間の霧は、唯一の「潤い」です。雨が降るのは冬の間だけ、12月から2月の間に最も激しく降ります。3月から4月まで雨が降りつづく年もありますが、5月以降は、めったに雨が降ることはありません。雨らしい雨が降るのは、通常10月になってからです。

夏の雨不足は、多くの植物が休眠状態になることを意味します。初夏、草におおわれた丘は、輝くような小麦色に変わり、晩夏には灰褐色になります。沿岸地域は、気候が温暖で土壌が肥沃なため、果物や野菜を育てるには理想的な土地ですが、ほとんどの農業は、散水によって水を補給して行われているのです。

今回のフィールドノートでは、セントラル・コーストの独特な気候、とくに夏の霧と乾燥、そして人、植物、動物がどのようにこの気候に適応しているかを紹介していきたいと思います。
写真
●第1回:セントラル・コーストの風景
 
●第2回:スプリンクラーによる作物への散水
 
●第3回:収穫の季節
 
●第4回:霧
 
●第5回:レクリエーション
 
●第6回:植物の適応
 
●第7回:動物の適応
 
●第8回:イチゴの栽培
 
●第9回:最初の雨
 
●第10回:撮影地を再訪する

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