Digital Camera Basics
【Updates 2001】 アップデーツ2001


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 デジタル一眼も見慣れてきた! 2001年春現在のカメラ選び

デジタルカメラの進歩は早く次々と新しいモデルが登場し、どんどん性能が向上しています。種類も豊富で、“選択に迷ってしまう”という方も多いはず。現在手に入るデジタルカメラを、大まかなタイプごとに分類してみて、使いわけ方などを考えてみました。みなさんのカメラ選びに、役立ててみてください。




◎デジタルカメラの現状

デジタルカメラが登場した当初、それはほんの一部の人向けの“おもちゃ”のようなもので、画質的にもお粗末なものでした。しかし技術の進歩は早く、どんどん画質が向上し、機能もどんどん充実してきました。

かなり早い段階から、一眼レフタイプのデジタルカメラもありましたが、とても高価で、プロといえども簡単に購入できるような価格ではありませんでした。そのため、コンパクトカメラタイプのデジタルカメラに、より高い性能、豊富な機能が求められ、実際にそのように進化しつづけてきた経緯があります。

ところが、Canon EOS D30のようなレンズ交換式の一眼レフデジタルカメラが、リーズナブルな価格で発売されている現在、デジタルカメラの流れに変化が生まれはじめています。

たえず、高画質・高性能を求められてきたコンパクト・デジタルカメラですが、現在では、A4サイズ程度のプリントであれば、すでに十分な画質が得られます。また機能的にも、撮る道具として必要十分な機能をもっているといえ、銀塩カメラのコンパクトカメラより、はるかに高機能化しているといえます。

安価な一眼レフタイプが登場することで、より高画質・高性能を求める人は一眼レフタイプを、という“棲み分け”ができてきたのです。なんでも1台ですませようとした時代から、目的によってデジタルカメラを選ぶ時代になってきたわけです。




◎クラスを選ぶ

まず、自分の“目的はなにか”を考えて、機種を選びましょう。いろいろな楽しい機能が搭載されている機種も多くありますが、まず基本的に、“なにに使うか”を考えましょう。

“記念写真重視派”

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作品を撮ろう、なんて気負って撮るつもりはなく、いままで旅行に持ち歩いていた銀塩コンパクトカメラ代わりにデジタルカメラを使いたい。これも1つの目的です。このような用途には、まず携帯性のよさが求められます。もちろんデザインも、おしゃれなほうがいいですよね。
記念撮影なら、プリントサイズもそれほど大きな必要もなく、最先端の高画素モデルである必要はありません。Canonのデジタルカメラでいえば、IXY DIGITALシリーズがこれにあたるでしょう。新たに携帯に便利なカードフォトプリンターCP-10も登場し、記念写真派にはベストなチョイスといえるでしょう。

“作品撮影重視派”

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くわしい説明は、こちら
しっかりこだわって撮影し、作品を撮ってみたいという方には、断然一眼レフタイプがおすすめです。コンパクトタイプとのちがいは別のページで紹介しますが、まず画質的に大きなアドバンテージをもっています。大きくプリントしても画質的に余裕があり、クオリティの高い写真で、作品展だって行えます。
また、レンズ交換が可能なCanon EOS D30のような機種では、交換レンズ群にはマクロレンズや超望遠レンズなどがたくさん用意され、レンズを選択することで、それだけ表現の幅が広がります。
たとえば、子供のスナップ撮影などの場合には、大きな一眼レフカメラでは、相手の自然な表情を撮りにくいということもありえます。撮る写真によっては、Canon PowerShot G1のような、高性能コンパクト・デジタルカメラのほうが適している、という場合もあります。

“バランス派”

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くわしい説明は、こちら
日ごろ持ち歩いて記念写真も撮るし、時々はしっかり撮った写真を飾ってみたい、というバランス派には、高性能コンパクトタイプがおすすめです。画素数も300万画素程度のもので、いろいろな撮影モードが選べるような機種。しかも、必要ならホワイトバランスや露出を自分で調整できる機種です。Canonのラインアップでいえば、PowerShotシリーズがこれにあたるでしょう。
このクラスの機種は、コンパクトカメラ代わりにはもちろん、一眼レフタイプほどではないとしても作品撮影にも使えるポテンシャルをもっているものがほとんどです。

こうした長所・短所を考慮しながら、自分にあった“クラス”を見つけだしましょう。そのなかで、どんな機能が必要か、超望遠や手ブレ補正が必要か、動画機能が必要か、多彩な撮影モードが必要かなどなど、それぞれの固有の機能を検討していくとよいでしょう。

また、いままで銀塩カメラでどのような機種を使っていたのか、これも重要な判断ポイントです。銀塩カメラで一眼レフを使っていた人なら、なぜかさばる一眼レフを購入したのでしょうか? きっと多少携帯性は犠牲にしても、画質や操作性、機能を考えて一眼レフを購入したことでしょう。デジタルでも、その点は同じです。銀塩カメラと同じつもりで選んでみましょう。




◎画素数を考える

筆者がデジタルカメラ選びを相談された際、“記念写真がメインなら200万画素前後の機種がいいよ”とすすめるのですが、相手は、“でも200万画素では、大きくプリントしたとき、きれいじゃないでしょ?”と渋ります。

しかし、最適な画素数は、目的の出力サイズで変わります。いままでみなさんは、銀塩カメラを使用していて、どれくらいまで大きくプリントしたことがあるでしょうか? 多くの方の場合、ポスターサイズのプリントなどせず、サービスサイズ程度という方が多いでしょう。ポスターサイズとはいわなくても、ちょっと上をみてA4サイズとしても、200万画素あれば大抵の用途には使えます。

さらに、無意味に画素数が多いカメラを使用すると、画像1枚のデータ容量が大きくなり、それだけたくさんのメモリが必要になりますし、画素の少ないデジタルカメラのほうが軽快な撮影ができる場合が多いのです。

また、デジタルカメラのプリント画質は、プリンターの性能や、レタッチ技術によっても大きく異なります。現行のプリンターを使用するならば、以下の表を目安にするとよいでしょう。


プリントサイズ 画素数
名刺サイズ 〜 はがきサイズ
(サービスプリントサイズ)
130 〜 200万画素
A4サイズ 200万画素以上
A3サイズ以上(写真展作品など) 300万画素以上
ホームページなど
パソコン・モニタ利用
80万画素程度以上


自分の目的にあったクラス、画素数のカメラを選ぶことは、軽快な操作、ストレスのない使用のためには重要な要素です。できれば、デジタルカメラも銀塩カメラと同じように、目的に応じて複数台を使いわけることが理想的……そういってよい“時代”がやってきたようです。

ちなみに筆者の場合は、作品を撮る場合はCanon EOS D30を(時々PowerShot G1を使用)、記念撮影など気軽な撮影にはCanon IXY DIGITALを使用しています。




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