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title [染谷商店]は廃食油でクルマを走らせる
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VDFをシンボライズした染谷商店のマークはかわいい!
小さな町工場がならぶ東京・墨田区。ゴミちゃんはこの街に、使い終わった天ぷら油をリサイクルして、クルマの燃料にしているところがあると聞いてやって来た。めざす[染谷商店]は、もう50年も“油”を生業にしている会社だ。常務の染谷ゆみさんが取材に応じてくれるという。

“常務”さんと聞いて緊張のゴミちゃんだったが、まだ若くてすっごくサバけた感じの染谷さん。おしゃべり感覚で、取材は快調にスタートした。私たちが1年間に消費する食用油は、日本だけで約200万トンもあるらしい。そして捨てられる廃食油は年間約40万トン。そのうちレストランなどの食品産業から出る廃食油約20万トンは、回収されて飼料や肥料、石けん、塗料などに再生されている。


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でも、一般家庭から出る約20万トンは、ほとんどが生活排水に流されて川や海を汚しているのだ。大さじ1杯の油を、魚が住めるようにするには、風呂おけ10杯分のきれいな水が必要! らしい。 “固めたり、古新聞にふくませて捨てても、新しいゴミを増やすだけだから、なにかリサイクルできる方法はないかなと考えたんです”と、染谷さんはいう。
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小さな研究室から、大きな“夢の燃料”が誕生した 午後3時。廃食油を回収したトラックが続々ともどってくる


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一斗カンに詰まった廃食油。マックやフライドチキンのカンも ゴエモン風呂みたいなところに集められた廃食油
そこで[染谷商店]の研究室から生まれたのが、[VDF=ベジタブル・ディーゼル・フューエル]だ。欧米で注目されている[BDF=バイオ・ディーゼル・フューエル]、植物油を原料としたディーゼル燃料を参考に開発され、1993年に完成した。100リットルの廃食油から95リットルものVDFができる。しかも大気汚染の原因になる[硫黄酸化物]はゼロ、呼吸器官障害の原因といわれている黒煙は軽油の1/3以下という、とってもクリーンなエネルギーだ。なんか、夢みたいな話……。


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