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![]() | 島田 暁夫の回想 |
“これより、ビリヤード・キャロム・スリークッション・シングルスの準決勝、島田 暁夫選手対キム・ヨン・グ選手、梅田 竜二選手対キム・ム・スン選手との試合をおこないます!” |
島田と梅田が顔を見あわせる。
“梅田くん! 決勝であおう!” “はい!” 島田がバンキングをおこない先攻、サーブをしようとする。 “あのとき、やめなくてよかった……” 19才のころ、島田はビリヤードをつづけるかどうかで悩んでいた。当時のビリヤードのイメージは、ダークでリスキーなヤバイ遊び(マンガ的な誇張あり!)。その思いを絶ちきるために、山ごもりをしたのである。 |
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“やっぱり、普通に大学にいって、就職するのが無難かな……”
しかし、ふと目をあけて、空を見あげると、雲が手球やキューに見えてしまう。そのとき、島田は、キャロム・スリークッションをやめられない自分に気づくのだ! |
むかしはそんなイメージだったビリヤードが、アジア大会のような、公式な国際大会で認められ、しかもその準決勝の場に自分が立っていることを、島田は実感しながら、相手の韓国選手を50対37で破り、決勝に進出することになる。
“よし!” そのむこうでは、梅田がそんな島田を見つめていた。 “すげえよ、島田さんは……あんたがいなかったら、オレはいまごろ……” |
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