A Rosarian's Diary
6月6日 晴れ

晴天の日曜日。気にかかっていたベランダ仕事をいくつか済ませる。もう勘弁してくれというほどすくすく伸びたルコラを伐採し、さやから種を取り出して空びんに保存。これは種から育てたのだ。種が種にもどるという、植物の一生を見届けたはじめての植物かもしれない。

ついでにキッチンガーデンを整理し、枯れていた野イチゴを抜いてしまう。これは近所に住む小さな女の子が、うちに遊びに来たときのおみやげ。道ばたで摘んできてくれたものを、植えたんだっけ。今年もちゃんと花が咲き、赤いイチゴもなった。まずくて食べられたしろものじゃなかったけれど。そんなことを考えながら硬くなっていた土に手を入れ、ほぐほぐ耕していると、土のにおいがふんわりと立つ。これがごちそうなんだなあ。園芸家の。

かなり病気が広がってきたバラたちの葉裏に水を散布するなどして、午後はおでかけ。先週も出かけた与野市へダンスを見にいく。ピナ・バウシュの舞踊団の4演目連続公演。説明できないよさで、前回は涙が出た。今日は席がいまいちだったが、やはりよかった。舞台には赤いバラが山に積まれていて、ダンサーたちが舞台にバラを並べるとこ、宙に思いきり投げたりするとこ、そういえばバラの赤い雨も降ってきた。もちろん造花で、これをもって彼女たちは世界を回るのだ。終演後、ダンサーを真似てふしぎな踊りをしながら駅に向かう。駅前の花壇のバラは、ほとんどが切り取られて黒土が丸見えになっていた。

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その後、セントセシリアの死体。死体になってもきれいで捨てられない。

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セントセシリアの切り花は中央から枯れてきたが、その姿がまた美しい。香りは相変わらずいい。





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ルコラのさやごとの種を空びんに保存。来年の朝ごはん。



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