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06. クリーニング屋さん



詐 欺 師 た ち

ホンソメワケベラは、全長3cmほどの幼魚のときからクリーニングをして生計を立てている。いわば、プロの職人。もちろん、寄生虫を食べてあげるということは、食事にありつけるということで、これを[掃除共生]という。しかも、掃除をしてあげる魚からは襲われない、安全システムだ。
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これが正真正銘、本物のホンソメワケベラ、全長12cmだ。
(静岡県・伊豆海洋公園 水深10m))


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ホンソメワケベラにいちばん似ている
ニセクロスジギンポも全長12cm。ほかの魚には迷惑なやつだ。
(静岡県・富戸港 水深8m)
全長15cmのキツネアマアダイの幼魚は、ほかの魚から
攻撃されないよう姿を真似ている。そんなに悪者ではようだ。
(沖縄県・座間味島 水深6m)


photo ほかの魚たちはホンソメワケベラを、特徴的な黒い帯と踊るような独特な泳ぎ方で見分けている。じょうずなクリーニング屋さんの看板みたいなものだ。ところが、この姿を真似してほかの魚に近づき、ヒレやウロコなどをかじり取って食べる、悪い魚がいる。海のなかにも、詐欺師みたいなやつがいるんだ。
左上がホンソメワケベラの幼魚。右下が幼魚に
なりすまして、ほかの魚に近づくミナミギンポ(全長7cm)。
(静岡県・伊豆海洋公園 水深10m)
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