農家に入り込んだような。
 
N それがストックホルムの街中にあるの?

O 少しはずれてるかな。路面電車で行くのね。それもレトロでかわいいもので、たまたまかもしれないけど、おじいさんの運転手とおじいさんの車掌で、着くまえから、なんだかお話のなかに入っていくようで楽しくなりました。

L (オカオさんがもってきてくれたパンフレットを見て)しかも、マークがリスだ! かわいい、この、くるりんこのシッポ。

O そうなんです。リスなんです。30万平方メートルぐらいの広さなんだけど、動物園も水族館もあって、あと子供の遊園地も。でも標識がスウェーデン語だけだから、よくわからないまま、あ、このおうちかわいいな、と思うと入ったりして、ぜんぶで3時間ぐらいはいたかなあ。

N おうちは、ちっちゃいの?


きちんとお手入れされているのがわかる植物。
 
O ちっちゃかったり、おっきかったり。でもね(クスクス)、1軒すごい天井が低い家があって、でもそこには背の高い“おうち番”の男の人がいて、いつも少しかがみ気味に歩いてるのがおかしかったな。

L 物語の挿絵みたい。

O 年代もたぶんいろいろあって、イネスの部屋で有名になったグスタビアンスタイルの家もあった。なんだったかな、グスタフ王という王さまがヴィクトリアンスタイルに影響を受けて作りあげたとかいう、ちょっとロマンチックなスタイル。曲線調、猫足的なやつですね。


みんな、古くさい道具をちゃんと使って仕事をしてる。
 
N “おうち番”の人っていうのは、そこでなにしてるの?

O ふつうに、その家に合った暮らしをしているの。農家なら農夫のかっこして農作業をしてるし、ふと中庭を見ると、大きなテーブルを囲んで隣近所の人同士で食事をしてたり、陶芸家なら土を練ってたり、主婦はお花にお水をあげてたり、それは観光客がいてもいなくてもやってるんだと思う。なんだかね、どこも、人んちに勝手に入っていくような感じで、ドアを開けて部屋にどんどん入っていくと、奥のほうでひっそ〜り編物してたりする。ちゃんとその家に合った服を着てるのも、かわいいんだよね。

N 実演って感じの、わざとらしさじゃないんだ。


働く人々。子どももいます。
 
O うん。ほんとうに自然。暮らしをのぞいている感じ。

L じゃあ、透明人間になった気分とかする?

O それはしません(笑)。