N 島の大きさはどれくらいなの? 四国ぐらい? 飛行場の税関がログハウスで、スキー場のリフト乗り場のようだという話を聞いたことがあるけど。

O いや、四国よりはぜんぜん大きいのでは。でも土地はあっても、実際に人が住めるところは少ないみたいで、飛行機から島全体を見たとき、猫のブチ状に万年雪らしきものが残ってた。首都のレイキャビックのほかに、民家がまったくないような大自然のなかでも撮影をしたんだけど、撮影してるすぐ横で地獄谷みたいに泥がフツフツと湧きでてたりして。

L ますます月っぽい。昔なにかの雑誌で、アイスランド出身のビヨークが自分にそっくりな顔の息子と温泉に入っている写真を見たことがあるんだけど、とくにあの顔がアイスランド人の特徴ってことはあるの?


これがブルーラグーン。乳白色のお湯で、深さは、いちばん深いところでオカオさん(150cmほど)がすっぽり沈むくらいだとか。
O ビヨークみたいな顔の人もいたし、北欧らしい顔の人もいたし、それはいろいろ。温泉といえば、ブルーラグーンっていう大きな露天風呂みたいなのがあって、観光的にはそれがいちばんの名所かなあ。もちろん、みんな水着を着て入っているんだけど。

L 入った?

O うん。楽しかった。あちこちに塩の入ったバケツが置いてあって、みんなそれを顔にぬって入ってるの。私は途中でヒリヒリしてきたから、すぐ洗い流しちゃったけど。温泉のなかを歩きまわりながら、そのバケツの塩をくばっている子どもたちもいて、あれはやとわれバイトなのかなあ。

アイスランドの物価ってすごく高くて、マクドナルドのハンバーガーも1,000円とか。全体的に生活水準もとても高そうなんだけど、なんとなく生活感がないから、この人たちはいったいどうやって生計をたててるんだろうって、私はそれがずっとふしぎでならなかった。

M 漁業? 観光じゃないよね。

O ナゾ。

M 人はどんな感じなの?


馬とパフィンのワッペン。ICELANDのロゴ入りがかわいい。
O すごいのんびりしてる。私なんて、行くまえにコーディネーターさんに、“あの国の人は異常にのんびりだから、そのペースにまどわされないように”って警告までされた。鳥のひなたちが道を渡るときはふつうに車をとめて待ってるし、そういうペースがあるんだよね。あとね(クスクス)、おもしろい話があって、撮影場所の候補として遊園地のメリーゴーランドを希望でだしていたんだけど、“ありますよー”って連れていかれたのがすごくちいさな動物園。そこで“ほら”って指さしたのが本物のポニーで(笑)。これがメリーゴーランド、ですかあ? ってすっかりホノボノしちゃった。

L クスクス。

O やっぱり撮影で、おばあさんがひとりで暮らす古いおうちとかを使わせてもらったりしたんだけど、みんな家に長くいるせいか、すごくきれいにしてたなあ。ゴージャスというんじゃないけど、コージーな感じ? 窓は清潔なレースでかざって。

N 北欧の人ってどうしてもクールな印象なんだけど。

O つめたくはないけど、はしゃいだりもしない、かな。私たちが泊まったホテルのバンケットルームで、子どもの誕生日パーティーをしていたのね。ピエロも来てるし楽団も音楽を演奏しているんだけど、なんかひっそりしずかなの。子どもたちよ、なぜ、はしゃがない!?って、すごくふしぎだった。それから、私はそれほど感じなかったんだけど、マエダさんが“あの人たちは、妙に親切だ”って。

L “妙に”とは?


飛行機好きのオカオさんのエアーコレクション、アイスランドエアー編。
O あれは“人には親切にしましょう”って子どものころからきびしくしつけられてきた親切さだって言うの。それで、あまりにみんなが親切だから、うっかり心がきれいになりそうになったって(笑)。

L うっかり(笑)。