ロッタ ロッタちゃんのあたらしい映画がまた来たんだよ。今度もた〜いへん、なんだから。 ノンノン なに? なにが起こるの? L もう、いろ〜んなこと(ニマッ)。 N すこしぐらい教えてよ。 L た〜いへん、なことはおもしろいから、映画を観てのおたのしみということで。このあいだの食べもののお話が、いろいろと確認できるシーンもあって、ふむふむって思ったよ。 N たとえば? L たとえばね、北欧はベリー王国って話。ロッタちゃんの5歳のバースデーケーキ、なんと白いケーキに赤いベリーで“LOTTA”って描いてあるの。もう、映画館でひとりで“きゃっ♡”ってなってた。あれ、ぜったい私もやってほしい!
N あんた、お誕生日はいつ? L 10月。 N ベリーなんてないよ、その季節。どんぐりででもやる? L いじわる。いまの顔、映画のロッタにそっくりだった。(気をとりなおして)今回は田舎のおばあさんの家にみんなで行くんだけど、そこでもテーブルいっぱいにベリーがつまれていて、それごしにロッタちゃんが見えるというかわいいシーンがあった。これはリンゴンベリーという種類らしいんだけど。 N リンゴン? L (無視して)それから、おばあさんちへ向かう電車の中で、あごにイボのあるおじさんのエピソードが出てくるのね。この話、どこかで聞いたことがあるって、映画観ながらウンウン考えていたんだけど、まえに友だちの家でそこの子どもが本でロッタを読んでて、“おかしいんだよ〜”って教えてくれたお話だったんだよね。 N ロッタちゃん役の子のかわいさに、つい忘れちゃうけど、もともとはお話だもんね。原作はリンドグレーン。やかまし村やピッピのお話を書いた人。 L 『長くつ下のピッピ』ね。世界でいちばん強い女の子。昔、実写版のドラマをテレビでやってて、大好きだったなー。チョラホップチョー、ララララ、チョラホップサンサッ♪ って、ウン十年たったけど、いまでも主題歌、うたえちゃうもんね。 N 子どもなのに一軒家でひとり暮らししちゃって、学校にも行かないの。 L 英雄に見えたよ。同時に、はじめて見たブサイクな外人の女の子で(笑)。でも金髪の三つあみが、ハリガネが入ってるみたいにはねてて、かわいかった。 N 原作のピッピも、そんな髪形なのかしら? L そんな絵を見たこともあるような。原作より先に映像で見ちゃうと、どうしてもそっちのイメージが強く残っちゃうよね。これも、少し残念なことだとは思うけど。私なんて、ローラもそうだし、ハイジもそう。動いてるのがふつうなの。でもね、ロッタのお話を聞かせてくれた私の友だちの子どもたちは、テレビ見てないの。見せてないのね、親が。だから、本を読んであげると、物語をすごく吸収するような感じ。頭のなかで空想が、いまもくもくと広がっているなあ、っていうのが顔を見てるとわかるよ。 N 映像を見ちゃうと、空想は広がらないもんね。 L だからその子たちには、空想の世界のお友だちがたくさんいるの。だからロッタちゃんにしても、彼らなりのロッタちゃん像があるんだろうなあという。 ![]() |