右:『北欧 ナチュラルライフに出会う旅』 植月 縁・著 東京書籍・刊 ¥1,800
左:『アァルトの椅子とジャムティー』 堀井 和子・著 KKベストセラーズ・刊 ¥1,400



ロッタ (スキップして登場)はろ〜ノンノン! 今日は、なに読んでるの?

ノンノン 『北欧 ナチュラルライフに出会う旅』って本。この連載のために、いろんな北欧の本を読んでるんだけど、最近のではこれがけっこうおもしろい。写真も多くてとっつきやすいから、ロッタにもすぐ読めるよ。

L ふうん。表紙のおばさんとりんごの木、ちょっとすてき。このひとは誰?

N それは読んでのお楽しみ。庭師、女性シェフ、テキスタイルデザイナー……人を通してカルチャーを語ってるから、ちゃんと呼吸してる“いま”の北欧が伝わってくるの。でも読んでてひとつ感激したのは、じつは本筋とはあまり関係のないオジサンのひとことで、“森の倒木を博物館に保管する”っていう話なんだ。デンマークのある島の、ある森についてのことで、北欧ぜんぶがそうじゃないとは思うけど。

L ふうん。あんなにたっぷり自然があるのに、たった1本の木も大切にしてるんだ。

N なんかね、木と人間のそういう関係が、北欧の家具の、あの独特のあたたかさにつながるのかなあとか思って。


ハンス・ウェグナー、1951年の作、“ワイチェア”。背中の部分が“Y”になっているところから、この名前がつくことに。【A】
photo: Noboru Morikawa

L デンマークの家具といえば、ハンス・ウェグナーだっけ。“ワイチェア”つくった人。デザイナーの家具には興味なかったんだけど、それだけは、堀井 和子さんの本で見て“ほしい!”ってすごく思ったからおぼえてる。あのやわらかそうな曲げ木のわざとか、そうとう木と仲よくないとできなさそうだもんね。

N 堀井さんは、ずっと昔から北欧デザインに惚れこんで、よく書いてたよね。堀井さんがスウェーデンで見つけたコーヒーポットとかテキスタイルとか、シンプルだけどしゃれてて、退屈じゃなくて、うなるほどすてきなものばかりだったなあ……。